赤い羽BLOG

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REDWING COLUMN NO.104 茶ベロ

REDWING COLUMN NO.104 茶ベロ

今回はレッドウィングに使用される、ブラッククロームレザーの茶ベロに注目してみた。

茶ベロとはブーツのベロ、またはタンの裏が茶色い物で、つまりこの部分も茶芯ということ。

茶ベロという名前で検索しても別の物が出て来るけど、個人的に勝手にそう呼んでいる。

 

ブラッククロームに限らず、レザーのベースとなる色にはいくつかのパターンがあって

左の様に主要部分が茶芯の場合は、ベロも茶芯だと色が合っていて収まりが良く感じる。

しかしパーツを裁断する取り方の関係で、中央の様に主要部分が茶芯でもベロが灰色だったり

またはその逆のケースや、画像右の様に補強パーツだけ色が違うなんてことは多々ある。

つまり茶芯の場合は茶色のパーツ率が高いと、それだけポイントが高くなるということ。

 

実はこれは一つのペアで、この様に左右で全く違う色合いのベロになっている。

どうも中央のタグに目線が行くせいか、入手からしばらく色が違うことに気が付かなかった。

ブーツのベロについては、普段あまり取り上げられない様な地味なパーツではあるけど

実は個体差が一番大きく、いかにもアメリカらしさを感じる、面白さが詰まっていたりする。

今回はそのベロの色にどんな物があるか、自分のコレクションの中から見て行こうと思う。

 

ちなみにブラッククロームの場合に多く見られるのが、この黒い色のタイプのベロ。

おそらくこの場合は茶色ではなくて、灰色のレザーをベースにしていると思われる。

ここが完全に灰色のタイプもあったりして、ベロの仕様に関しては厳格ではないらしい。

 

先ずはレッドウィングコレクションの中から、ベロ裏が一番整っていると思われる物。

ベロの色味は濃いめの茶色で、毛足の長さははやや短めというところ。

これは93年7月製の699、アメリカの30年ルールで言うと、ちょうどヴィンテージの仲間入り。

 

先程の物より茶色が若干薄いけど、これでも濃いめの部類にはなると思う。

ほんのりと黒く色付いているけど無いに等しく、毛足はやや長めとなっている。

 

これはやや黒く色付けられていて、今回の中で一番毛足が短い物となる。

右上から中央に掛けては、グラインダーで削って整えた時に出来た様な跡もある。

 

これも一つ上みたいに軽く色付けられていて、毛足はふさふさとした長めの部類。

最初の物などと比べると、茶色の色味が若干薄くなっているのも分かると思う。

 

8179などのモデルによっては、こんな感じにスプレーを吹き掛けた境目があったりする。

靴下に色移り防止の為に途中で止めているのか、こういう作りの意味を知りたくなる。

これは茶ベロや灰ベロの仕様で、当然黒い色のベロの場合には見られない。

 

ついでに色関連ということで、8165の履き口の茶芯が露出している際の部分。

ずっと色を付け損なっていると思っていたけど、重ね合わせた時に分厚くなり過ぎない様に

予め薄く削っておいて縫うから、茶色くなっているということに今更気付いた。

 

これはサイドから黒くグラデーションが掛かっていて、担当した職人さんの性格が表れている。

他に比べてとても毛足が長く、熊とか野生動物の様なワイルドさが感じられる。

 

8165の場合はアッパーとベロの接合部分が甲部分なので、8179と少し作りが違うんだけど

軽く黒く塗っておこうという様な、何とも曖昧な感じに仕上げられている。

 

一つ上の画像同様に色付けしてあるけど、中央をぐるっと吹き掛けただけの雑な印象を受ける。

ここの作業は養生せずにさっとやってOKだったとか、そういうことを想像すると面白い。

 

これは今までの物と比べると、だいぶあっさりとした印象を受けると思う。

断面は割としっかり茶色なんだけど、まだらに色付けられたような感じになっている。

この風合いはブラッククロームに限らず、オロラセット・ポーテージでも見られる。

 

ラストは自分の所有する中では一番色が薄く、ほとんどベージュ色という物。

人によっては茶芯ではないと思うかもしれないけど、明らかに灰色って感じではないし

かなり薄めではあるけど一応茶色なので、茶芯の部類ということにしている。

 

ブーツのベロ裏は履いてしまえば全く見えなくなるけど、この部分が個人的には大好きで

お店で手に取ると、色や質感はどうなっているかを先ずは確認しているかもしれない。

茶芯でブラッククロームにハマり、多様な作り方をしていると知ってからは色々集めて

こういう微妙な違いを楽しんだりしていて、自分でもマニアックな趣向だとは思う。