赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.112 バンプのステッチ

REDWING COLUMN NO.112 バンプのステッチ

今回は誰得系レッドウィングネタのバンプ部分とベロ、またはタンを繋いでいるステッチについて。

パーツとしては境目となる部分なので、バンプかベロの付け根なのかと記事タイトルは悩ましかった。

正確な時期は不明ではあるけれど、この部分の形状は2000年代頃に地味に仕様変更されている。

 

靴やブーツでいうバンプ(ヴァンプ)とは、一般的にはつま先から甲を覆うパーツの名称のこと。

この表現からするとサイドもバンプに含まれると思われるけど、自分の中では外側過ぎないまでの

画像のブーツの場合になると、モカシンパーツ上部とベロを合わせている部分辺りという認識。

 

この部分のステッチは紐を通しているとほぼ見えず、特に太めの平紐だとこんな感じで存在感は薄く

もしかしたら仕様変更されていることに気付かなかった、なんて方もいるかもしれない。

ちなみにこの紐はThis is...という大阪のセレクトショップのブランドの物で、レッドウィング純正よりも

やや赤みのあるブラウンをしていて、特に8111アンバーハーネスレザーに色がマッチする。

 

前置きが少し長くなってしまったけど、旧モデルと現行に近いモデルのステッチの違いはこんな感じ。

旧モデルはバンプの切り出し方が長めに取られていることで、ステッチも形状に合わせて山なりをし

2000年代以降からは山の高さを低くして、ステッチの番手も太い物へと変更されているのが分かる。

一応875と8111という全くの別モデルではあるけど、現行の875なども下のタイプと同仕様らしい。

 

2007年製の9011ベックマンも山の低い現行仕様で、おそらくこちらの方が強度があると思われるけど

足の甲のフィット感に違いがあるかと言われると、その作りを感じられるほどの差はない。

足入れを良くする為と聞いたような気もするし、こことは違う話だったような何とも記憶が曖昧。

 

自分が初めて入手したレッドウィングが、この875ということもあって90年代のモデルや旧仕様が好み。

それ以上に見た目の部分が気に入っているポイントで、モックトゥのステッチの延長しているというか

そこと楕円形に繋がっているような感じが統一感が取れていて、たまに見ると良いなと思ってしまう。

折角なので他のモデルもここのステッチがどうなっているか、ざっくりと見てみようと思う。

 

左から8875、8173、8179のバンプのステッチの見た目の大きさを比べると、大小中というところ。

ここに製造年や工場の特徴がある訳ではないようで、あくまでその職人さんの匙加減と思われ

中央の8173は他の二つの個体に比べて、セーフティーさを重視した縫い方をしている様子。

 

続いては8179の三兄弟の比較で、右端は一つ上の画像にも登場した97年製の個体。

左から製造時期の古い順番になり、バンプのステッチは大小中で大と小の差はかなりあるように思う。

中央の8179は8173と似ていることから、もしかしたら同じ方が縫ったのではと想像したりする。

 

プレーントゥの8166、8167、8165の定番モデルのバンプのステッチは大きさの違いというよりも

モックトゥに比べて左右非対称や、内側気味に若干傾いて縫われている個体が多いように感じる。

プレーントゥだとベロの根本にセンター位置を表す為の?ちょっとした尖りがあるのがポイント。

 

続いては8165三兄弟の比較画像で、中央の個体は一つ上と同じ96年製の刺繍羽タグ。

左から大中小といったところで、右の98年製の個体はへの字が鋭くなっているのが分かる。

 

90年代のモックトゥとプレーントゥを揃えて比較すると、モックトゥの方がバンプの切り取り方が大きい為

ステッチの山が高くなり、プレーントゥの方はパンプがやや小さいので山も低くなっていて

更にベロの根本もやや足首側に取り付けることで、ブーメラン型やへの字の感じが強くなるようだ。

ちなみにこの8875と8166は同じ99年製になり、レザーの質感や色味の振れ幅は今見てもすごい。

 

おまけにド定番モデルと少し違う感じをしている三つのバンプのステッチはこんな感じ。

699ロガーはプレーントゥだけど高め、877は個体差によってもう少し高めもあるようだけど

これはかなり低めになっていて、8インチ丈という形状から足入れを良くする為か875とは少し違う。

8133は初期の頃から現行モデルのような縫い方をしていて、現在も大きな変化はなさそうに見える。

 

この875は味があるけれども決して汚くない、新しさと古さの中間的な風合いに仕上がっていて

バンプの波打つ感じと自然に生まれた光沢も渋いなと、我ながら惚れ惚れとしてしまう。

一応これはもうある意味完成品として、このまま良好な状態を維持するつもりではいるけど

自分の中で高まりつつあるモックトゥ熱から、今年の秋冬は履いてしまいそうな気がする。