赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.102 茶芯を見る

REDWING COLUMN NO.102 茶芯(ちゃしん)を見る

今回は所有しているレッドウィングのブーツの茶芯が露出している箇所に注目してみた。

茶芯とは主に黒いレザーのベースが茶色い作りのことを言い、かつて主流の芯が灰色とは違って

使い込む程にどんどん茶色になって行くという、独特な風合いを楽しめる仕様のもの。

元々茶芯はコスト面などの理由から、汎用性の高い茶色いレザーを黒に代用したと言われ

つまり意図せずに作られたもので、言葉自体もその風合いを評価する為に後に生まれた。

茶芯はレッドウィングに限ったことでなく、様々なブランドの革製品でも見られていて

黒いレザーを製造する時の別パターンという感じだったのかもしれない。

 

これは二つのパーツが重なっていて芯の色が外側から確認出来る様子。

比較的近い時期でも芯の色は様々で、左上がその芯の茶色が分かりやすいと思う。

右上が黒いレザーに対して、かつてのレッドウィングの主流となっていた灰色の芯。

パーツ毎に芯の色が違っていることや、茶色なのか灰色なのかはっきりしない場合もあり

茶芯の色味が濃い物や多く露出している個体は、良い値段で取引される傾向にある。

※現行のブラッククロームレザーはこの芯の色がかなり黒いものを採用している。

 

恐らくスマホでは分からないかもしれないけど、左が茶芯で右が灰芯となっている。

こんな感じで強めの直射日光に当てると、黒い塗膜の色越しに芯の色が透けて見えて

茶芯の方が芯の色味が加わった分、表面の黒さが若干深いのも分かる。

 

光の加減や日差しの当て方次第では、同じ箇所でも見え方が全く違っているのが面白い。

今回は所有しているレッドウィングコレクションの中から茶芯が分かりやすく出ている部分と

自分にしか見えていない様な、なかなか表現しづらいところも注目して撮影してみた。

 

先ずは分かりやすく茶芯が出ている、93年製の699ロガーブーツから。

バックステー兼プルストラップ部分みたいな先端は何もしなくても出やすい箇所。

アメリカの関税法30年の定義を基準にすると、今年でこれもヴィンテージの仲間入り。

 

シャフトの履き皺の部分なんかは茶色というよりも赤っぽく見える。

今回観察して思ったことは、特にプレーントゥの場合はトゥ部分のつり込みから

レザーがぴんと張っているので、他部分よりも芯の色が少し薄くなるということ。

 

この風合いは近年のブラッククロンダイクに近いかもしれない。

人によっては荒々し過ぎて汚いと感じることもあって、好みが大きく分かれる。

逆に茶芯に目覚めると茶芯至上主義になりがちなので、自分も気を付けたいところ。

 

2268エンジニアブーツの履き口部分の色合いもなかなか良い感じ。

この年代は内側起毛面の色付けが甘いので、中を軽く見ただけですぐに茶芯と分かる。

 

ベルトの盛り上がった部分が退色していて良い表情をしている。

こういうのを見るとベルト穴は常に統一しておきたくなる。

 

シャフトのくしゃっと入った皺の部分も若干茶芯が出ているのが確認出来る。

足首部分のベルト穴も同様に、当たり方を固定させておきたい。

 

ここは履いて擦れたというよりも、下のパーツと重なった圧が大きいと思われる。

ブラッククロームは頑丈な作りを前提にしているはずが、繊細な面も持ち合わせている。

 

今回も登場のお気に入りクリッピング跡と履き皺にも茶芯が軽く出ている。

こうやって見ると革になる前の皮というか、獣感が残っている様にも感じる。

 

8169ペコスもシャフトの皺や、サイドのつなぎ目にも薄っすらと茶芯が出ている。

 

同じくバンプの履き皺の大きく盛り上がっている部分や、トゥの傷からも茶芯を確認。

 

エンジニアと同様にペコスの履き口部分も茶芯が早く出る。

基本ブーツインしないので、履きながらここを見る機会は当然ない。

 

しゃっしゃっと左上方向に鋭く入っている傷は自分の反対側の足で擦れた跡。

この時期の8169や8179など限定の、ウェルトのコバ部分が染色されていない仕様も見もの。

 

先程も書いたけど、プレーントゥはトゥの色がやや薄めになっている。

トゥからバンプが一枚で作られているので、先端の繊維が伸びているということだろう。

 

光が反射している右下部分から左上へ向けて、ややマイルドに茶芯が見えている。

分かりやすいものよりも、こんな感じで地味に出ているのに気付くと嬉しくなる。

8179の別の個体の同じ箇所は、こんな感じで大きめな傷が入って芯が露出している。

こういう部分を補色してはいけない気がしてしまうのも、茶芯好きあるあるかもしれない。

ちなみに同じ箇所でもこちらよりも、一つ上の画像の感じの方が個人的には好み。

 

ヒール周りも色んなものに当たりやすいので、比較的茶芯が出やすい箇所。

ある程度履き込むと、塗膜が細かくひび割れてしまうのは致し方ないところ。

 

同じ個体のヒール周りの茶芯を別角度から確認してみた様子。

この金色みたいな渋い色味は、茶芯好きな方にはたまらないんじゃないかと思う。

 

最後は茶芯の存在を知った時に手持ちの物を確認したら、実は茶芯だったという8165のトゥ。

他よりも茶色の色味がやや薄めではあるものの、日差しに当てると茶芯を確認出来る。

普通に見ると分かりづらいので、長年こんな色をしていることに気付かなかったけど

今ではこのやり過ぎていない色合いと、ナチュラルな出方がとても気に入っている。

 

この茶芯にハマったのが大きなきっかけとなって、90年代頃のレッドウィングを集め始め

本記事の投稿時点で所有しているブラッククロームの茶芯は、14足中で12.5足。

0.5は茶色なのか灰色なのかはっきりしない中間的な色をしているモデルのこと。

満足行く様な風合いにするにはとてつもない時間を要すけど、一つのライフワークとして

定期的にメンテナンスしながら、じっくりと育てていければと思っている。