REDWING COLUMN NO.87 レッドウィング8179 メンテナンス編
今回は憧れの黒セッターに引き続き、レッドウィング8179ネタ第二段のメンテナンス。
ブログ用以外に普段から記録として残していた画像の日付を確認してみたところ
4年以上はブラッシングのみだったようで、ここらでリセットさせたい頃合い。
これは著しく履き込んだり汚れるほど着用はしていないので、汚れ落としというよりも
表面の古いクリームや油分などを取り除いて、リフレッシュさせるのが目的となる。
用意したアイテムは、シューキーパーとMモゥブレイのステインリムーバーに
下地としてデリケートクリームと毎度恒例のクリームエッセンシャル。
埃落とし兼仕上げのレッドウィングの馬毛ブラシに、硬めの毛質の化繊ブラシ。
ブラッククロームというレザーは表面の塗膜が厚く、内部に油分を閉じ込めていて
傷が少なかったり新しめな状態では、ミンクオイルなどはあまり浸透しない素材で
近年はガラスレザーと同類の様に定義されるようになっていたりもする。
先ずは紐を外しシューキーパーを入れて隅々までブラッシング。
普段隠れている羽根の内側部分もこの時ばかりは入念に行っておく。
ハトメ周りには隣接する部分の油分などに反応して緑青が発生している。
大して気にならなかったけど、一応ざっくりと拭き取って軽く取り除いておいた。
汚れ落とし兼古いクリームなどの油分をステインリムーバーで除去。
右側だけ行ってみたところ、この様に一気に光沢感がなくなっているのが分かる。
反対側もステインリムーバーでリセットし、表面をブラッシングして整えておくが
これだけで光沢感がかなり出て来るのが、この年代のレザーの特徴でもある。
このブラシも1年半ほど使っているけど、徐々に育って来ているような気がする。
表面の細かい傷から浸透することを期待して、下地のデリケートクリームを塗り込む。
しっかりとクリームを伸ばして硬めの毛質のブラシで表面を整える。
履き口のレザーのパイピングや羽根のコバ部分はもちろんのことだけど
モカシンのステッチ周辺などは、意識的にクリームを塗るようにしている。
仕上げにはクリームエッセンシャルを使って表面の保護と艶出しをして行く。
一応ウェルトのコバ部分もトゥ周りのついでに軽く塗り込んでおき
硬い毛のブラシ→柔らかい毛質のブラシの順番でブラッシングして整える。
クリームエッセンシャルは、これ1本で汚れ落としに保革と艶出しも出来る優れもので
あれこれとたくさん揃えたりしなくて済むので携帯するのにもおすすめ。
インソールはそこまでオイル入れは必要ないけど、たまにメンテしておきたい部分。
状態をチェックして、硬化やひびがあるようならクリームを多めに塗っておく。
紐を再び通して今回の8179メンテナンス終了。
ギラっとした光沢感は、自分の技術やクリームの成分が極めて優れている訳でもなく
古い年代に使われていたレザーのポテンシャルの高さを物語っている。
REDWING COLUMN NO.86 憧れの黒セッター - 赤い羽BLOG
左が↑の記事で撮ったメンテナンス前で、右が今回のメンテナンス後の状態。
元々汚れもなかったので、反射具合から若干光沢が鋭くなったかなという程度。
実は左が晴天で右は曇りという、反射する色で撮影時の天候が分かるのに気付いて
外での比較画像なら、そこも統一した方が良かったかななんて思ってしまった。
他のモデルは手触りや色のくすみ具合でメンテナンスの頃合いを決めていて
このレザーの場合は表面からでは、どういう状態なのか分かりづらいところがある。
しかもガラスレザーのような個体なので、更に見極めが難しくなっているけど
また数年ほどはブラッシングのみのメンテナンスとなりそうだ。