赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.101 レッドウィング8166 メンテナンス編

REDWING COLUMN NO.101 レッドウィング8166 メンテナンス編

今回は現在二足所有しているレッドウィング8166のメンテナンスを行った。

この二つの8166は97年製と99年製という、比較的近い時期に製造された個体ではあるけど

レザーの色味以上に質感が違っていて、個人的には全くの別物という感覚がある。

今まではメンテナンス方法を分けることはなかったけど、もっと質感を意識したくなり

以前記事にしたペコス8169のメンテナンスと同様に、それぞれ違う方法ですることにした。

 

左が通称「半円犬タグ」というタグで、そして右が「四角犬タグ」とも呼ばれたタグ。

8166や8167などはこのタグの切り替えが他モデルよりも遅く、98年の途中に行われていて

四角犬タグが採用された期間は実質一年ほどと短く、半円犬タグよりも数がかなり少ない。

当記事では97年製半円犬タグを「半円」、99年製四角犬タグを「四角」と呼ぶことにする。

※近年の四角犬タグは、このタグよりも古い時代を意識したデザインに変更されている。

 

あまり近付けると色味の違いが分かりづらくなるので、冒頭の画像を見た方が分かりやすいけど

左の半円は限りなく赤に近い色味をしていて光沢感が強く、もっちりとした手触り。

右の四角は赤茶というよりも、海老茶やワインレッドみたいな紫っぽく、質感もカリカリとした

ドライな感じというか、表面のコーティングが強くオイルが染み込みにくい風合い。

オロラセット・ポーテージは色の幅が広く、半円の色味は旧オロラセットの90年代半ばに多く

四角の色味は90年代後半頃から見られ、同時期でも朱色っぽい色味の場合もある。

今回の二つは極端な色味をしていて、これはその時期のオロラセットの特徴とも言える。

 

今回のメンテナンスで用意したアイテムはレッドウィングの馬毛ブラシ、クリーム用化繊ブラシ。

旧オールナチュラルドレッシングは現在コンディショナーとなったミンクオイル。

モゥブレイのステインリムーバー、モールドクリーナー、デリケートクリームに

マルチな性能で使いやすいクリームエッセンシャルと、使い捨ての布や綿棒など。

 

紐を外して入念なブラッシングから、いざブーツメンテナンスの開始。

今回はメンテナンス前後の比較の為に、それぞれタグのない左足側からにしてみた。

紐は適当な洗濯洗剤とナイロンブラシで洗ったところ、物凄く綺麗になってしまって

汚れを予め撮影しておけば良かったと若干後悔しているところ。

 

ハトメ周りの緑青はそんなに目立つほどではないけど、つま楊枝で軽く掻き出しておき

綿棒を使って拭き取って、削りカスや埃などをブラッシングで整える。

この部分のメンテナンスはたまにしか行わないので、ブラッシングは特にしておきたい。

 

ステインリムーバーで表面の汚れや古いオイルなどを除去してさっぱりさせる。

色が飛んでしまっているけど、汚れというよりも塗膜の赤い色が若干出ている。

あまり期待していなかったけど、半円のウェルトのステッチは地味に綺麗になった。

 

半円にはレッドウィング純正のレザードレッシングを選び、指に少量取って塗って行く。

このオールナチュラルドレッシングは購入してから何だかんだでもう15年近く経つけど

塗る量を極力抑えていたり、頻度自体も少ないので使い切るにはまだまだ掛かりそう。

 

四角の方はいつも通りの革靴的なメンテナンス方法で仕上げて行く。

デリケートクリームを同じく指に取って塗り込んで、固い毛質の化繊ブラシで馴染ませる。

履き口やウェルトのコバ部分は両方とも特に意識的に塗って潤わせておく。

 

半円の方はミンクオイルがしっかりと浸透するまで一晩ぐらいの放置時間を取るので

四角もそれにタイミングを合わせて、一先ずは同じく放置させに入る。

こう見るとデリケートクリームだけでも充分な光沢が出ているのが分かる。

 

そして一晩経っても、この様に沁み込まずに残っているミンクオイルを布で拭き取って

馬毛ブラッシングを使い、シワの部分などの細かいところまで馴染ませるように仕上げる。

この時のオイルが染み込んだ布を捨てる前に、オロラセットの他のモデルに再利用している。

 

四角の方はクリームエッセンシャルを布に取って薄く伸ばして全体に塗り込んで

化繊ブラシと馬毛ブラシでしっかりと磨き上げて、表面のメンテナンスは終了。

もっと艶感を加えたければ、柔らかいクロス等を使って仕上げるのもアリ。

 

こちらが半円と四角共にメンテナンスをして仕上がった状態。

ミンクオイルとクリームの別を使ったところ、どちらも蜜蝋の成分が入っているので

表面の手触りや潤いの感じは違うけど、光沢が生まれて良い表情をしている。

 

四角は海老茶っぽい渋い色ではあるけど、やや赤みが強くなったように見えていて

半円と比べてもメンテナンス前よりだいぶ色合いが近付いたように感じる。

 

半円のタグが付いている左側がメンテナンス前で右側が後の様子。

そんなに大きく変わらないけど、ウェルトのステッチは綺麗になっているのが分かる。

さすがにトゥの塗膜の薄剥がれはミンクオイルのみでの補修は厳しい。

 

同じく左側が半円のメンテナンス前で右側が後の様子。

しっかりと潤ったことで一段階色が濃くなって、光沢の具合も増している。

 

今度は四角のタグが付いている左側がメンテナンス前で右側が後の様子。

こちらはメンテナンス前後で明らかに表情が違っているのが分かる。

半円同様にトゥの薄剥がれは補修出来てないけど、このモデルはあまり気にならない。

 

同じく左側が四角のメンテナンス前で右側が後の様子。

左右で革質が違うのもあるけど、メンテナンス後は表面がたいぶ整っている。

ウェルトも今回はかなり意識的にクリームを塗り込んでいる。

 

という訳で逆側もメンテナンスを済ませると同時にインソールの方も手を加える。

カビ予防のモールドクリーナーとクリームエッセンシャルで仕上げた。

両方とも定期的にオイル入れは行っていたけど、今回みたいに本格的なメンテナンスは

5年振りになったらしいので、内外手を抜かずにしっかりと行うことにした。

 

時間差で逆側も同様にメンテナンスを行い、紐を通して全行程終了。

普段なら二日で済むところが、もう一日多いと結構大掛かりなことをした気分になる。

 

いつもこのオロラセットにはミンクオイルを使うのがお決まりのパターンだったけど

四角はほとんど沁み込んでいないと思っていたし、履き込んで余程表面が削れない限りは

乳化性のクリームを使う方が適しているかもしれないと、今更ながらに思ったりする。

 

最後に両足の左メンテナンス前、メンテナンス後の状態を半円から。

一応撮影の設定は同じにしているけど、やはりメンテナンス後は色が濃くなることで

メリハリが出ていて引き締まっている感じというか、より迫力が増している。

トゥが少し黄色っぽくなっていて、この味わいのある表情がまた良い。

 

四角の方はメンテナンス前が、かなりぼやっとした色味をしていたのが良く分かる。

乳化性クリームはミンクオイルよりも、オイルが抜けてしまうのが早いと思われるので

次回のメンテナンスはあまり期間を明け過ぎないように気を付けたい。

 

この時期になると、部屋にもたっぷり日差しが入り込んで撮影するのが楽しくなる。

でも徐々に暖かくなってしまうことに、寂しさを感じてしまう季節でもある。

個人的にはこの何でも着れるような、選択肢の広い時期を味わっておきたいんだけど

今年はあっという間に冬の終わりを迎えてしまったような気がしてならない。

とにかくこの時期ならではの楽しみと、ブーツシーズン終盤をもっと堪能しておきたい。