赤い羽BLOG

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REDWING COLUMN NO.86 憧れの黒セッター

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REDWING COLUMN NO.86 憧れの黒セッター

レッドウィング8179、通称「黒セッター」はアイリッシュセッターの黒版として

1995年から現在もラインナップされている日本国内の定番モデル。

当時絶大な影響力を持っていたファッションリーダーがレッドウィングの別モデルを

カスタムした物を元にして正規品番として採用されたのが、この8179になる。

8179は90年代半ば~後半のレッドウィングブームを語る上では外せないモデルで

日本におけるレッドウィングを現在の地位に押し上げたモデルの一つでもあり

1995年の発売から数年は品薄状態が続いて、大量の偽物が出回ったほどだった。

レッドウィングのクラシカルなワークブーツを現代風にカジュアルに履くスタイルが

欧米などに広がって行ったのは、この時期の日本での影響が大きいとも言われている。

 

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8179はどのようにして生まれたかについては以前記事にしているので

ここでは軽めにするけど、左端の875→8175→8176→右端の8179へと繋がっている。

レザーの色とアウトソールの違いに、ウェルトという中間部分のパーツに変更があり

8179はその左隣の8176の黒いソールを白いソールにカスタムした物が注目され

875の黒版として、シンプルな物が採用されたという流れになっている。

※自分の8176は紐を変更しているが、本来は黄色×茶色の物が付いていた。

 

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本来アイリッシュセッターとは、その名前の通りに猟犬の毛色から取られた物で

例外もあるが、ほとんどが左側の茶色や赤茶色のレザーのモデルに付けられていた。

日本国内モデルとして発展して行った右側のベージュ色ラフアウトレザーや

つま先が丸いタイプの黒のプレーントゥ、もしくはラウンドトゥのモデルに

今回の8179などは発売当初はアイリッシュセッターには分類されずにいた。

つまり黒レザーのモカシンタイプも当初正式にはそう呼べないモデルではあったものの

レッドウィング日本市場の広がりと認識を合わせて、別レザーやトゥの違ったタイプも

タグをアイリッシュセッターに統一されてラインナップされることになった。

※後に羽タグに変更されるが、近年はまたアイリッシュセッタータグに戻っている。

 

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当時の8179となると、真っ先に浮かび上がるのは奥田民生の「イージュー★ライダー」。

この時代の情報源はやはり雑誌やテレビが中心で、一度注目を集めてしまえば

ファッション誌ではこぞって取り上げられ、芸能人などの衣装に使われることになる。

その芸能人のファンの方や、世代と性別を越えて大きく広がって行くような仕方と

ファッションに興味が薄かった層を巻き込んで行ったのも、この時代の特徴でもある。

レッドウィングに限らず、ヴィンテージリーバイスやナイキのスニーカーなどの

当時人気アイテムを手に入れる=自分のファッションランクを数段上げられるみたいに

本質は現代とあまり変わらないかもしれないけど、勢いや熱量がすごかった時代だと思う。

www.youtube.com

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現在はファッションの多様化から、そのニーズに応えるべく様々なモデルがあるけど

この当時はレッドウィングに対するイメージがかなりざっくりとしていて

人気のタイプは大抵トラクショントレッドソールと呼ばれる白いソールが付いていた。

このソールは履き心地が良い反面で摩耗に弱いけど、新しい物に張り替えることが可能で

子供の頃からスニーカーばかり履いていて、靴底を張り替えるという概念が無かったのもあり

手入れをして修理をすれば、一生モノになるというのがとても新鮮だった。

 

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8179黒セッターの良さはワークブーツ特有の武骨な雰囲気はありつつも

黒いレザーの落ち着いた色味と、白いアウトソールのポップさのバランス加減。

トップスにダメージの入ったヴィンテージスウェットみたいなアイテムでも良いし

キレイめなシャツやジャケットを合わせても、ハマる万能さがとても魅力的で

8179にはワークブーツが身近なアイテムになったという功績もあるかもしれない。

そしてこの画像のように濃紺のジーンズとレッドウィング8179の組み合わせは

90年代お決まりのパターンで、コーディネートは腕の見せ所でもあった。

 

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今回のタイトルに「憧れの黒セッター」とある通りで、喉から手が出るぐらいに

8179が欲しかったけど、自分は90年代のブーム時には手に入れることが出来なかった。

当時はレザーの色で物凄いほどに序列があって、一番人気の黒は入手困難となっていて

今は無くなってしまったけど、渋谷センター街にあったレッドウィング専門のお店で

たまたま入荷した直後に訪問したようで、左のプレーントゥタイプの8165を入手し

その後は8179ではなくて、黒いソール版の8176を購入することになった。

※この8165とコレクションの8176は後にサイズ見直しの為に買い直した物。


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最近の記事では恒例にもなっている2パターンのコーディネート。

左は1990年代10代後半の頃と、右は現在40代のトビウオギタオ本人同士の直接対決。

左の濃紺ジーンズにスマートなプレーントゥの8165に、少し明るめの紺色のセーターと

色味を変えたマフラーを巻いた、今見ると10代とは思えない渋いコーディネート。

右は10代の頃に最強装備のように思っていたリーバイスのデニムのセットアップに

レッドウィング8179の組み合わせは、今見ると少し恥ずかしくもなったりする。

このジーンズだけは当時と同じ物で、現在もギリギリ履けるようになったのは

食生活を見直したり地味にダイエットを頑張って来た甲斐があった。

 

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現在は8179を3足所有していて、ぱっと見ではたぶん全部同じに見えると思うけど

革質の微妙な違いやパーツが気になってしまったら、こんな感じで増えてしまった。

最近はこういう買い方を控えたいとは思っているけど、今後どうなることやら。

 

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手前の個体は表面のレザーのきめが一番細かいので光沢感がとても強く

アウトソールの上の部分のウェルトのコバの茶色の色味もハッキリとしている。

こういうレザーの質感やウェルトが茶色い個体は、需要に応じて増産体制が整った頃の

P8=第8工場製も増えた1997年後半頃からは、あまり見られなくなった仕様でもあって

履き込むと黒から茶色に変化して行く茶芯レザーも徐々に少なくなってしまう。

自分の所有している3足の8179は現在稼働していない伝統的なP1=第1工場製の物で

入手困難だったこの時期の仕様は近年のモデルとしても引き継がれたりもして

振り返るという意味でも、見るべきポイントがたくさんあるので面白い。

 

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8179が流行っていた頃の自分は高校生とか、10代後半の経済力が乏しい時期だったので

もしレッドウィングを一足買ってしまえば、また何か月もお金を貯めないとみたいに

ファッションに対して物凄くストイックに頑張っていた頃だったなと思い出す。

その後はレッドウィングから離れたり、方向性が近いようで関わらなかったりもして

この8179は流行した時期からは、入手するのにだいぶ時間が掛かってしまったけど

当時のファッションの情熱を再確認出来る数少ないアイテムだったりもする。