赤い羽BLOG

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REDWING COLUMN NO.99 私的まとめの90年代レッドウィング年表

REDWING COLUMN NO.99 私的まとめの90年代レッドウィング年表

2/10はレッドウィングの日ということで、今回はやはりレッドウィングネタ。

ブログ開設当初からコツコツと書き続けて来た、特に好きな90年代の日本別注モデルを中心に

それらのリリース年や変遷、大まかなディテールなどを時系列でまとめてみることにした。

今回の記事は自分と同じ90年代レッドウィングが好きな方はもちろんのことだけど

日本国内でのレッドウィングを現在の位置に築き上げた歴史、流行アイテムの一部として

当時を知りたかった方の知識になったり、カタログ的に見て貰えたらとても嬉しい。

※手元にある物や個人的に関心が強い範囲なので、完全網羅ではないことは予めご理解を。

レッドウィングの日は年に二回設けられていて、2/10はレッドウィング社が設立された日で

10/12は創業者チャールズ・ベックマンの命日(後に10/21と判明)に由来している。

私的まとめのレッドウィング90年代年表目次

 

日本国内での正規取り扱い開始

先ずはプロローグ的なものとして、代理店のことに軽く触れておくことにした。

かつてレッドウィングの日本国内での正式な輸入販売は、ミドリ安全という安全靴や作業着

ヘルメットなどを取り扱う会社のファッション部門のミドリインターナショナルがしていて

1982年から取り扱いを開始し、2005年のレッドウィングジャパン設立までの期間を担っていた。

このミドリ時代の方の生み出したモデルや努力が、日本におけるレッドウィングの地位を築き

ワークブーツをカジュアルなアイテムとして、一般に広めた大きな要因とも言われている。

レッドウィング社のアイコン的な存在となっている、アイリッシュセッター875&877と

101ポストマンに2268エンジニアブーツ、初期はこれらなどの12品番のみの取り扱いだったそうだ。

※自分のレッドウィングコレクションは一部を除いて買い直した物。

www.midori-anzen.co.jp

 

1980年代リリースのモデル

記念すべきレッドウィング日本別注モデル第1号となったのが、875のウェルトとソールを

ストームウェルト+ビブラムラグソールに変更し、1984年にリリースされた8175。

それとほぼ同時期にプレーントゥ版の8166、翌年にはガラスレザーの旧8165(画像は後継の8160)

1986年後半から87年には8175のブラック版の8176、1989年にはラフアウトの8173が登場。

そして80年代後半から90年代初めの渋カジブームを牽引したショップ別注の8268。

8268の最初期はおそらく1987年製と思われ、90年代に入り国内正規品番となる。

8268と言えば他のエンジニアブーツよりも、足の甲のベルト位置が低いのが大きな特徴で

2002年頃まで、もしくは復刻や一部のモデルのみに見られた仕様。

 

1994年ディテール

1994年の半ば頃になると管理体制も変わったようで、ブーツ外側の年月刻印が無くなり

ベロ部分もしくは内部に小さく「96」のように何年を示す表記がされるようになる。

ほぼ同じタイミングからP1、P8などという製造工場番号の刻印が入り始める。

一応製造年月は1985年頃からW表記となっている為、94年以降もこのように解読可能。

ただし年や工場番号は省略されている場合もあり、特定方法は個別の記事を見てもらいたい。

※製造年月刻印はペコスでは2000年代前半まで継続し、工場番号は一部ではそれ以前からもある。

 

1995年ディテール

当初はオレンジがかった茶色いレザーのオロラセットが、1990年頃から赤みが強くなり

1995年頃にその色味のピークに達し、ほぼ赤という茶色要素の少ない色合いになる。

この色味を伝統的な色合いに戻そうという流れになり、翌年ラインナップが変更される。

ラフアウトレザーの色味もこの年代の前後よりもやや赤みが強い傾向にあるようだ。

その頃日本ではブラッククロームという黒いレザーのモデルに注目が集まることになる。

 

1995年リリースのモデル

元はビームス別注モデルとして空いた品番を使うことになった黒のプレーントゥ8165。

国内正規品番となったのが1995年とされているけど、もしかしたら少し前かもしれない。

そして某氏が8176のソールをカスタムしたモデルをベースにして生まれた8179。

どうやら元々所有していた黒の8165をヒントにこのカスタムを思い付いたと思われ

この8179のヒットがレッドウィングを世間一般に広めることとなった。

現在も根強い人気のスーパーソール8133、近年惜しまれつつも終了したラフアウトの8167。

そしてレッドウィング社90周年記念モデルの一つとなった8271エンジニアブーツ。

8271はこれ以前と近年にもラインナップされたが現在は生産終了となっている。

 

1996年ディテール

1996年の大きな出来事として、赤くなり過ぎたオロラセットの見直しが挙げられる。

オロラセットの色味を原点回帰として本来のオレンジっぽい茶色に戻すことになるが

日本では赤くなり過ぎた色味がすでに定着していた為、本家の伝統的な色合いのモデルと

日本モデルは変更前の色味を引き継ぎ、品番を変えてラインナップされることになった。

(本家875→日本8875、本家877→日本8877、本家866→日本8866などと4桁に変更)

この本家モデルは犬刻印というブランドを意識した点も不人気であった一因とされている。

そしてこの年に羽タグと呼ばれるタグの表記や素材が変更される。

やや薄手の布にロゴなどをプリント表記された通称「プリント羽タグ」は一部例外を除いて

この年から徐々に「刺繍羽タグ」と呼ばれる織りネームタグへと変更されて行く。

タグの切り替えはモデルによって時期が微妙に違っていて、半年ほどの幅がある。

 

1996年リリースのモデル

オリジナルのオロラセットという意味も込めて名付けられた茶色のオロイジナルには

犬刻印を入れ、875や877、866ペコスなどのいくつかのモデルがラインナップされた。

但しこれは一年ほどの短命に終わり、刻印ではなくただの羽タグモデルへと移行する。

そして96年前半までの875を引き継いだ8875などが四角犬タグを付けてこのタイミングで登場する。

ちなみに8166や8175は元々日本モデルなので、半円犬タグのまま継続されている。

ペコスの8168と8169はこれらと同年リリースとなるが、犬刻印などよりも早かった様子。

 

1997年ディテール

日本国内での認識からアイリッシュセッターブランディングがされるようになり

厳密にはアイリッシュセッターでなくても、同じカテゴライズとしてまとめられる。

ここで定番モデルは羽タグから犬タグに変更され、刺繍羽タグの前期が終了という流れで

このタグの切替のタイミングはモデルによって時期が大きく違っている。

そしてこの年から白いトラクショントレッドソールに新しいものが採用されるようになり

旧ソールを使い切る為、ここから数年新旧のソールが入り混じることになる。

他には8179や8169に見られたウェルトのコバ部分の色付けされていない仕様はこの年ぐらいまで。

1997年はマイナーなモデルはリリースされたと思われるけど定番的なモデルは特に無く

この辺りから一気に買いやすくなった印象があるので、販路拡大に力を入れていたのかもしれない。

つまりレッドウィングブームが落ち着き始めたのは、おそらくこの辺りだったと思われる。

 

1998年ディテール

1998年のディテールというよりも、この辺りから少なくなって行ったと思われるのが

通称「茶芯」と呼ばれる茶色レザーをベースにした仕様のブラッククローム

それにエンジニアブーツの甲に付けられたクリッピング、もしくはクリンピングの加工跡。

近年の技術的な進歩から、ここまでくっきりとした跡は見られなくなったようだ。

エンジニアブーツは数多く見て来た訳ではないので、どこで明確に終わったのかは断言出来ず

2000年代以降も色味がはっきりしなくなったとは言え、茶芯レザーは一応見られるので

ざっくりと90年代後半頃までの伝統的な製法やディテールとしておきたい。

大体この年ぐらいから箱がリニューアルされることになり、上が旧で下が新デザイン。

 

1998年リリースのモデル

こげ茶色のガラスレザーを使い「ブラウンチーフシリーズ」名付けられたシリーズが

プレーントゥ8160、ニトリルコルクソールの8161、所有していないが8161の短靴版と

サイドゴアのロメオ8149の計4モデルがラインナップされた。

一応ひとまとめにしているけど、98年にリリースされたのは8160と8161の二つで

ロメオと短靴の二つは翌99年のモデルとしてラインナップされることになった。

(赤茶、黒、ラフアウトの定番3色のロメオは先行してこの年にラインナップされている)

このブラウンチーフシリーズの赤茶でも黒でもない絶妙な色合いにすぐにこれは良いと

雑誌を見て8160を買いに行ったのを覚えている。(残念ながらサイズ見直しの為手放し済)

これが当時自分がリアルタイムでレッドウィングに熱中した最後のモデルとなった。

近年ではゴールドラセットやブラッククロンダイクなどのレザーのタイプに特化して

ラインナップされることは普通にあるけど、今思えばこの時代では随分大胆に思える。

 

1999年ディテール

ブランディングされることになり、定番モデルは犬タグから羽タグに変更される。

ここで刺繍羽タグ前期があったモデルは後期になるという流れになっている。

(四角犬タグはその後のアイリッシュセッター50周年の特別モデルで使われた)

またこの辺りから革の質感も変化が見られ、ブラッククロームはマットで柔らかく

オロラセット・ポーテージはパリッとしたりと、厚みも全体的にやや薄くなる傾向にある。

これは革質が落ちたとも言えるけど、履き心地の向上を狙ったという見方も出来る。

 

1999年リリースのモデル

先程も登場したガラスレザーの8149ロメオと、かつてのモデルのレザーの色味を意識した

深緑色のカンガタンポーテージ8180が99年の春夏モデルとしてリリースされた。

そして99年の秋冬シーズンにはベルバブーマーという、渋い茶色のレザーを採用した

モックトゥ8855にプレーントゥ8163が合わせてリリースされることになった。

その後も限定モデルとして、定番とは一味違う色合いのレザーがラインナップされた。

この99年の前半と後半が犬タグと羽タグの切り替えのタイミングとなっているので

8180の初期に製造された物までに四角犬タグが使われることとなった。

8875や8179などの他の定番モデルもタグの変更は概ねこの頃に行われている。

履きはするけども新作をチェックしたり、購入をしなくなったのは大体この辺りだったので

自分のレッドウィング熱は大体1999年の春頃で落ち着いた感じだと思う。

 

現行タグとレッドウィングジャンパン設立へ

羽タグ+ベロや内部などにサイズや品番などの刻印は2002年いっぱい頃で終了し

現行モデルに多くあるような、タグに情報を一括して記載するタイプへと移行する。

定番モデルなどでは、ほぼ同時に側面にレッドウィングのロゴマークの刻印が入り始める。

(厳密には刺繍羽タグは2003年初めまで使われ、ロゴ刻印と被る移行期間があるので

2002年までの仕様としておきたい。近年のモデルは側面のロゴ刻印は廃止。)

何と言っても大きな出来事として、伝統的なP1=第1工場での生産が終わったのが

現行方式のタグへ変更があった頃と大体同じタイミングとされている。

それを知ると自分がその年代までを好む理由が何となく分かるかもしれない。

そして2005年にレッドウィングジャパンが設立され現在に至るというところで

2007年には長く続いたロゴマークがシンプルなデザインへと変更されている。

2000年代以降はだいぶざっくりしているけど、この辺りは割と調べられると思うし

何ならレッドウィングジャパンに問い合わせて回答してもらうことも可能。

 

終わりに

レッドウィングの日ということで、レッドウィングファンの方に向けて特別な記事をと思い

自分が憧れていたり、特に影響が強かった90年代半ば頃を中心に一括りにしてみたけど

これでもかなり掻い摘んだつもりが、なかなかのボリュームになってしまった。

今回当時を思い返しながら書いていたけど、レッドウィングに物凄く夢中になっていた期間は

3年ほどしかなかったのかと、今は3年同じ物を使うなんて当たり前のことなので感慨深いものがあった。

内容についてはそれなりに自信はあるけど、認識の違いや憶測となる部分も含まれていて

変遷が多少前後している部分とか、抜けていたり間違いも多々あると思われるので

あくまで個人的な見解として、各々の中で補完してもらえたらというところ。

出来れば90年代前半や2000年代のところも、もっと細かく突き詰めたい思いはあるけど

一度凝り出すと止まらなくなってしまうし、ブーツの保管場所もかなり限界に来ているので

それらはその年代に詳しい方にお任せするということにしておきたい。