赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.73 レッドウィング スーパーソール

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REDWING COLUMN NO.73 レッドウィング スーパーソール

今回はレッドウィング社が開発し特許を取得した「スーパーソール」について。

スーパーソールというと、8133のモデル名みたいな扱いになっているが

本来は靴底の種類であり、その製法のことを表している。

このソールのモデルは他のブーツよりも、かなり軽量に出来ていて

更にクッション性も高くスニーカーのような履き心地が魅力。

 

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1960年代以降はワークブーツにも低コスト化の流れがあり

通称「セメント製法」と呼ばれる、ブーツ本体と靴底を接着する製法が多くなる。

これはコスト面で優れる物の耐久性という部分で少し難があり

しかもレッドウィングで使用しているオイルをしっかり含んだレザーでは

このセメント製法の接着材との相性が悪かったとのこと。

そこで「CAST88製法」という、ブーツ本体と靴底を繋ぐウェルトを縫い付けた後に

型に入れて発泡ウレタン製の靴底を成型しながら取り付けるという製法に改良を加え

1977年から採用されているのが、この「スーパーソール製法」になる。

これにより、高い耐久性と低コスト化を実現することが可能となった。

 

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過去の物も含めて日本で流通している、スーパーソールはおそらく全ての物が

米国ミネソタ州のPLANT2(P2)の第二工場で作られている。

スーパーソール製法は特殊な機械を必要とする為、90年代に伝統的な製法のモデルを

メインに生産していた、PLANT1(P1)とPLANT8(P8)では扱っていない。

この第二工場は現在レッドウィングの生産拠点となっているそうだ。

 

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一応比較として左の8133スーパーソールと、右の8176を並べてみた。

この二つは見た目はかなり近いが、ワーク仕様とアウトドア仕様という

近年はその括り自体にあまり意味をなさないかもしれないが

厳密に言うとカテゴリーは別の物になっている。


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両方とも本体に沿うように盛り上がった形状のストームウェルトを採用し

ディテールはかなり近いが、重量はスーパーソールの方が片足で200g弱軽い。

8176は既に廃番の扱いだが、8133よりも定価は1万円近く高く

この価格の違いは伝統的なグッドイヤーウェルト製法であることが大きい。

 

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レッドウィングが主に採用しているグッドイヤーウェルト製法は

ブーツ本体に帯状のウェルトというパーツを縫い付け、中物にコルクを詰め

更にその下のソールをウェルトと縫い合わせるという作り方。

上の場合はミッドソールがある為、ウェルトのステッチはミッドソールまでで

一番下のアウトソールはミッドソールに接着剤で付けられている。

この場合の接着は平らな面のソール同士なので耐久性も問題ない。

グッドイヤーウェルト製法は作業工程が多く、とても頑丈な作り方の為

購入の初期費用は高くなるが、ウェルトやミッドソールが破損していなければ

アウトソールを比較的安価に張り替えることが可能となる。

 

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スーパーソール製法はウレタン製のウェルトを本体に縫い付け

型に入れてアウトソールを成型しながらウェルトと一体化させて作り上げる。

その為、グッドイヤーウェルト製法よりも工程数が少なくなる。

これはレッドウィングス・エクスクルーシブ・ウェルト・システムと言い

またはレッドウィングス・パテンティド・ホックウェルトとも言うらしい。

ただし長い目で見ると、アウトソールが加水分解で劣化してしまうリスクもあり

構造を考え強度を求めた上で新たに別のソールを貼るには

ウェルトを縫い直すという、かなり大掛かりな修理が必要にもなる。

この修理費用は新品一足分の値段の7.8割ぐらいとかなり高額。

なので履きつぶして、新しい物に履き替えるなんてことも多かったようだ。

※日本からのソール交換依頼は紛失等の理由もあって受け付けていないが

米国国内ではスーパーソールもソール交換可能とのこと。

 

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スーパーソールの底は新品だともっとピカピカだけど

しばらく履き込むとこんな感じになる。

軽量でクッション性が良い上に耐摩耗性が高いのもスーパーソールの特徴。

レッドウィングの代名詞でもある、白い「トラクショントレッドソール」よりも

かなり長持ちするので、昔はソール交換不要なんて売り文句もあったが

履き込んで行けば、もちろん擦り減ってしまう。

 

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幾何学模様のような滑り止めの溝のパターン。

 

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発泡ウレタン製なので気泡感のある、レッドウィングとスーパーソールのロゴ。

耐油性ありってことで、「OIL RESISTANT」の文字入り。

 

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ヒールにはレッドウィングの羽のロゴマーク入り。

 

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スーパーソールのソールパターンはこれ以外にもまだあるが

現行で使われているのは8133に使われている物も合わせておそらく四つぐらい。

右二つはスーパーソール2.0というバージョンがアップしている物らしい。

 

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以前は8133スーパーソールと言えば、日本国内のラインナップとしては

コアなファン向けのマニアックな部類の位置付けだったけど

キムタクが初期から公私共に愛用し、2014年版「HERO」での着用も話題になって

再評価されることになり、現在は人気モデルの一つとして定着している。

 

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スーパーソールは少し大掛かりな物のようにも感じるかもしれないけど

創業当時から続く伝統製法と革新的な近代技術のハイブリット的存在。

8133はスマートな形状と色合いも手伝ってモードっぽく決めたり

アメカジのコーデとは少し違う落ち着いた雰囲気を楽しめる。

何と言っても、他のモデルよりも軽量で歩きやすいこともあって

とにかくアパレル関連や立ち仕事の方の受けが良い印象。

8133はレッドウィング初心者、ワークブーツ初心者にもおススメしやすいモデル。