ファイブブラザーのオンブレチェック柄のライトネルシャツ。
これは日本国内向けの定番商品として販売された2021年秋冬のモデルで
コットン100%インド製、指定カラーはブラックオンブレ、定価は税込み9790円。
正直商品のグレードとしては高い物ではなくて、標準的なレベルというところ。
昨秋に購入していたけど、生地の具合からして防寒の為に着込むというよりも
春先から初夏までや秋口の少し肌寒い時に、Tシャツの上からさらっと羽織るみたいな
夏以外に使えるアイテムという感じなので、この時期に記事にすることにした。
肩のバックヨーク部分はラウンドした古いディテールを採用しているが
フロント同様にクセが控えめのシンプルなスタイルをしている。
最初はネルシャツにしてはちょっと生地が薄過ぎるような気がしていたけど
洗濯を繰り返していると少し詰まって来て、雰囲気がだいぶ良くなった。
ファイブブラザーは1890年にアメリカニューヨークで創立されたブランドで
ネルシャツなどのワークアイテムを展開し、古着好きの方には身近な存在でもある。
現在は日本のメーカーがライセンスを取得していて、古いディテールを残しながらも
スマートに着こなせるようにサイズ感が大幅に見直されている。
自分が現在所有しているファイブブラザーは今回のシャツと右のCPOの二着。
日本版ファイブブラザーとして代表的に挙げられるのは、2014年フジテレビ系ドラマ
「HERO」のキムタクがオープニングなどで着ている茶色の半袖のチェックシャツ。
キムタクのドラマ衣装としては価格が安い方なので少し意外な気もした。
オンブレとはフランス語で陰影や濃淡の意味を表し、このようにグラデーションが
掛かったように織られていて、色がぼやっとした印象を受けるチェック柄。
黒から広がる色は茶色っぽく見えるけど、実際は緑系のオリーブ色をしている。
オンブレチェックのシャツは1950年代のアメリカで不良に愛用された歴史などもあり
詳しいことは、服地パイセンさんが解説しているので見てみると良いと思う。
小振りで緩い雰囲気がある襟には芯が入っていない作り。
胸のポケットが片方だけのオープンカラーのタイプなどもあったけど
シャツは基本的に左右対称が好みなのでこのモデルを選んだ。
マットな質感で中央部分が少し膨らんでいる猫目ボタン。
猫目ボタンは1960年代頃までに使われることが多かった仕様でもある。
品番は152100で別色や生地が違うバージョンなどもある。
シルエットは現代風のやや細身の部類なので、着方の好みや体型にもよるけど
身長が170㎝前後だと、SサイズでもMサイズでもという感じ。
自分はトップスをタイトめに着たいのでSサイズを選んでいる。
予備のボタンを一つ付けてくれているのも嬉しいところ。
アームはすっきりとしていて、袖のカフスに向けてやや直線的な作り。
袖口の開口部分の開きは控えめとなっている。
背中には肩のゆとりや動きやすくなるようにプリーツ入り。
いつも通りに自分好みのタイトなサイズ感を選んだけど、この作り方もあって
前のボタンを全て留めて着ても胸周りには若干のゆとりを感じる。
裾のラウンド感は控えめで着丈もすっきりとした長さ。
インド製ということもあって、裾周りの縫製が荒いのは致し方ないところ。
サイドにはマチが付き、空環仕上げというほつれ止めの為に敢えてはみ出した糸。
マチは生地の補強の為に付けられたパーツで、糸や縫製技術が進歩する以前の
1960年代頃までに見られたディテールを再現した作りとなっている。
最近恒例になっている2パターンのコーディネート。
キムタクのオンブレを思い浮かべると左の、ドラマ「グランメゾン東京」風コーデ。
作中のシャツは別ブランドの物だけど、ジーンズは同じくリーバイスの501XXに
レッドウィングのアイアンレンジャーという王道アメカジ系コーディネート。
キムタクのレッドウィングはオイルドラフアウトレザーで、自分の物とは素材違いで
ジーンズも自分の物よりもさらに古い年代のリーバイス501XXを着用していた。
ちなみにキムタクが実際にドラマで着用したジーンズは原宿の某有名古着店から
衣装としてリースされた物で、その後一般の方の手に渡ったらしい。
右はモノトーンに統一して、アメカジ感控えめのシンプルさを意識したコーデ。
暖かい季節、もしくは暑くなって来るとこういう感じが多いかもしれない。
自分の住む地域は日中ならアウター無しで出歩けるような日がだいぶ増えて
このオンブレチェックネルシャツがまさにぴったりなようになって来た。
やはり秋冬物というよりも、春物としての方が活躍するなと実感している。
こんな風に長袖のシャツがメインとなる時期は割と早く終わってしまうので
少し肌寒い日でもどんどん着て、この季節感を味わっておきたい。