1970年代のリーバイスのコーデュロイGジャン「70505-1523」、所謂4th(フォース)仕様。
この年代のコーデュロイGジャンは一部のレアカラーを除いて、流通量が多い部類なので
状態やサイズにもよるけど、フリマアプリや古着屋などの現在の相場は1万~2万円ほど。
その入手難易度と着こなしやすさから考えても、狙い目なアイテムと言えるかもしれない。
左の1960年代まで主流だった着丈の短い3rd(サード)仕様と、右のより近代化した着丈の長い4th仕様。
リーバイスの主要モデルのGジャンは1960年代にデザインが変更され、更に着丈を長くするなど
かつての労働者向けからカジュアルなアイテムとして、大きく舵を取ることになった。
この二つはサイズが違うものの着丈の長さは一目瞭然で、縫製やパーツなどの細かい違いもある。
購入当時は比較的手頃な値段で売っていたので、左の色違いの「70505-1529」とセットで入手。
どちらかをボア付きの冬仕様にしようかと悩んでいたけど、春や秋の着回しを考えて両方同じにした。
ところがいつもブラウンの方ばかりで、今回の「70505-1523」の方はほぼ出番がなかった。
生地の織り方によって生まれる凹凸、毛羽立ちや光沢感が特徴のコーデュロイ。
デニムや平織の生地などよりも保温性があり、基本的には寒いor涼しい季節向けとされていて
リーバイス製品はこの畝が細めが多く、個人的には太いほどにダンディーな印象を受ける。
「70505-1523」の「1523」はこのキャメル色、もしくはスモーキーなベージュ色に充てられている。
リーバイス=赤タブのイメージかもしれないけど、大衆向けとしての大量生産開始とほぼ同じ頃の
1960年代から始まったホワイトリーバイスという、デニムとは別カテゴリーに採用された白タブが付く。
1960年代~80年代頃はカテゴライズや生産ラインが細分化され、様々な色のタブが存在していて
襟元から縫い下げられている、この通称三角タグは主に1970年代頃に採用されたタグ。
なかなか識別が難しいけど、上部には「125 529」と品番の「70505-1523」が確認出来る。
「125 529」の125はおそらく1975年12月、529はニューメキシコ州のホッブズ工場の製造番号。
その下は「16% POLYESTER 84% COTTON WARM WASH NORMAL CYCLE TUMBLE DRY」らしく
最下部はリーバイス社の製造や販売などに充てられた、アメリカの旧管理ナンバーの「WPL 423」入り。
このタイプのGジャンを多く語ることはないけど、ざっくりとディテールなどを解説。
某ブランドから拝借した?とも言われる、特徴的なV字の切り替えが入ったデザイン。
前身となる3rdの1962年頃からマイナーチェンジをしつつも、現行モデルに引き継がれている。
古着のアイテムを眺めていて個人的にツボなのが、ボコボコと波打った様に入るパッカリング。
背中から腕周りは、このパッカリングが渋滞しているので特に見応えがあるところ。
この風合いは洗濯頻度が多い、もしくは乾燥機を使うとよりくっきりと現れて来る。
最早飾りと化している、サイドからバックに付けられたアジャスター。
ここの形状と縫い付け方も3rdと4thでは地味に違っているので面白い。
この70505-1523に使われているボタンは上段の物で、裏はホッブス工場の番号「529」入り。
少し前では下段左が使われ、右はジーンズのフライボタンだけど中央がフラットなタイプもある。
ボタン裏の刻印にはいくつかの変遷があり、詳細になって来たのは比較的最近のことで
余ったボタンや別部門の違う番号が、確認しづらい胸ポケットのみに使われている場合もある。
何故キャメルの方が出番が少なかったというと、お気に入りのシャンブレーシャツと合わせた時に
決して悪くはないとは思うんだけど、ブラウンの方が好みにまとまったというところで
ブラウンの渋く秋冬っぽい色味に対して、キャメルは爽やかにした方が良さそうに思う。
手っ取り早く爽やかにということで、インナーをボーダーTシャツにしたらすんなり行った感がある。
Gジャンとインナーの丈のバランスはいつも悩むところであり、右の出具合は自分の中ではぎりな感じ。
今回は左のネイビー×ホワイトボーダーの方を採用し、ジーンズはアメカジ感の強い中濃色ではなくて
春夏っぽいライトブルーにし、足元はレッドウィングの101ポストマンでスマートに合わせてみた。
若い男性よりも女性だったり、50代や60代以上にハマりそうなスタイルかもしれない。
ちなみにジーンズの実物の色はもう少し薄く、こういう色を一つ持っていると実に便利。
購入してから一方的に着ていた、コーデュロイGジャンも季節感をイメージすることで
比較的近い色であっても、自分なりに上手く着こなして使い分けられそうに思う。
今年の春は出来るだけ、このGジャンをメインにしたコーディネートをしてみたい。