赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

デニムのほくろ

「デニムのほくろ」とは、簡単に言えばデニム生地の織りムラのこと。

この「ほくろ」という表現の仕方は、あくまで自分一人で勝手にそう呼んでいるだけで

繊維や業界的な正式名称はあるのかもしれないけど、その辺はあしからずということで。

 

黄色の円で囲ったところだけが明らかに糸が飛び出しているのが分かると思うけど

決して傷や解れではなくて、ある程度大きさがないと個人的にはほくろ認定をしていない。

古いデニムは糸の太さが均一でなかったり、技術的なことから織りムラが出来てしまい

縦にすじが入るような色落ちをする、通称「縦落ち」という味わいのある表情が生まれる。

近年はその風合いを再現したり、独自に開発していてデニムにはとても個性がある。

※このデニムは古い時代の作り方に加えて、よりコントラストが出る様にアレンジしたもの。

 

数年前に終了してしまった、岡山のメーカーのエターナルというブランドのジーンズは

とにかく縦糸のムラが激しくて、今回注目しているほくろが見られやすくなっている。

右の方をここ最近履いていて、色落ちが良い感じになるように育てているところ。

 

こちらの画像も同じく黄色く囲ったところにほくろがある。

左のデニムはこのほくろがかなり目立つような、ピークの時期に来ている感じで

右の方はそのピークを過ぎて、だんだん周りに馴染む方へと変わっている。

いつ見ても物凄い縦落ちしているなと、我ながらこの風合いには驚いてしまう。

ちなみにジーンズの洗濯には色抜けしにくいジーンズ専用の洗剤を使っている。

 

デニムをこんな風に撮影したのは初めてのことだけど、やはりNEWカメラの性能が大きい。

何だか水槽の底を小さなエビが這っているように見えなくもない。

 

生地を裏返すとほくろの部分は糸がぐちゃっと詰まっている様子。

織り目がところどころムラっぽくなっていて、それが表面の縦落ちに繋がっている。

 

これは他のデニムだけど、色落ちがあまり進んでいないとそこまで目立たない。

しばらく履き込むとここだけすぐに色落ちして、何だこれと気付くことになる。

 

普段メインに育てているジーンズを実際に外で履いて撮影してみた。

実物よりも明るく写ってしまっているので、色味は室内で撮った方が近い。

 

信号待ちとかレジに並んでいる時なんかは、気が付くとこんな感じでつい見てしまう。

今年購入予定(未定)のジーンズに、ここまでメリハリのある縦落ちを求めていないけど

デニムのこういった風合いには、ずっとこだわり続けたいと思っている部分。

 

古着のデニムでほくろがないかなと、ざっと確認したところ少し見付かった。

左からリーバイスの1980年代のGジャン、中央は同じくリーバイスの50年代の501XX。

右も1950年代頃のペイデイという、所謂アメリカのストアブランドのカバーオール。

 

左が1980年代のGジャンで、右が50年代のジーンズのデニム生地となっている。

全体の色落ちが進むと、凹凸のギャップから周りが濃く残るのが面白いところ。

この二つはマニア的には値段が何十倍、下手したら100倍ぐらいの違いがあるんだけど

こうやって見比べてしまうと、そこまでの差があるのかは自分でも分からなくなる。

 

これはカバーオールのライトオンスなデニム生地のほくろ。

裏表共に大きくぼっこりと糸が出て来ていて、思わずハサミで切ってしまいたくなる。

 

他にはこんな感じで、ダメージなんじゃないかと思うほどの激しい織りムラが見られ

こういう作りのものは、その時代やワークアイテムだから許されていた部分ではある。

 

ほくろだ何だと言っているけど、そういうデニムは必然的に良い色落ちが付いて来るもの。

当時の雰囲気を再現しつつ計算された色味も良いけど、ヴィンテージデニムの風合いは

デニムの色落ちという同じ言葉では括れない、最早別ジャンルという感覚に近かったりする。

たまにお酒を飲みながら眺めては、その感じを再確認する時間がたまらない。

 

十代の頃はこれが気になってしょうがなくて、何とかしようと爪で押し込むものの

結局どうにもならず、そのジーンズを知人にあげてしまったのを覚えている。

今回自分で書いておいてなんだけど、ピークを過ぎて目立たなくなるとかを思うと

一見ネガティブな要素もチャームポイントとして、愛着すら感じるようにもなる。

年を取ったり、デニムやファッションの価値観が微妙に変わったのもありそうだけど

このほくろという表現が自分の中ですごくしっくりきて、実は気に入っている呼び方。

それがポジティブに受け入れられるようになった原因の一つなのかもしれない。