赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

ジーンズの耳のアタリ

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ジーンズの耳のアタリ

ジーンズの耳のアタリは、ジーンズ好きのこだわりポイントの一つ。

ジーンズやファッション用語で言う「アタリ」とは

簡単に言ってしまえば、生地表面の色落ちのことになり

何かに当たったり、作用して色が落ちている様子を表す言葉で

履き込んで出来た跡や、皺が出来て色落ちしている状態を言う。

例えば、裾が擦れて薄くなった部分や、ポケットに財布の跡が付いたなどを

「裾のアタリが良い」や「ポケットのアタリが最高」などと使う。

 

ここで言う「耳のアタリ」とは、耳付きジーンズを履き込んで

生地の耳の部分の跡が表面に出ていると言うこと。

近年はエイジングと言う包括的で便利な言葉が一般的になっているが

かつてはジーンズのアタリと言う言葉は、そこそこ認知度のあった言葉で

ジーンズやファッション好きの間では広く使われていた。

 

ジーンズの耳のアタリ 目次

 

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現在はジーンズの耳は作りとしてよりも、ロールアップした時の

ワンポイント的に見せる物と言うイメージもあったりするが

アタリによって耳の存在感を出すと言うような考え方もある。

これは特にヴィンテージやレプリカ系ジーンズなどの

旧時代の物を好む方に、一定の割合で耳のアタリ好きがいたりする。

↑画像で見えている裾のアタリも自分で加工したこだわりのポイント。

 

耳付きと耳無しのアタリの違い

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左が耳付きで、右が耳無し。

それぞれを並べて比較すると、跡の付き方の違いがあるのが分かる。

耳付きは漢字の「田」で、耳無しは「王」のようになる。

耳があるとボコボコとしやすく、アタリが出やすくなっている。

色が濃い内はあまり差がないが、履き込んで薄くなると

似たような色合いでも、その存在感の違いがはっきりと出て来る為

ジーンズ好きが耳付きにこだわる理由の一つはここにある。

 

ジーンズの耳

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そもそもジーンズの耳とはデニム生地の端の部分のことで

生地が解れないように少し膨らんで処理されている。

赤い線が入れば赤耳、黄色なら黄耳などメーカーによって様々で

耳はセルビッジ、またはセルヴィッジとも言われてる。

 

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一つ上の画像の耳部分の表側。

耳の白く膨らんだ部分が、履き込んだことで縦にラインが入る。

これが耳のアタリと言う物になり、生地の縮みやうねりによって

ボコボコとした跡が残るのが特徴的。

↓真ん中と右のジーンズはこちら。

 

耳使いの伝統

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この耳使いと言うのは、現代ジーンズの源流とされている

リーバイスの501と言うモデルの伝統的な作り方で

古くから生地の端の耳の部分を使って縫製されていた。

最近のスキニーなどのスリムな物や、ゆったり履けるワイドな物も

501から発展されたと言っても過言は無く

501の旧時代の物はジーンズの王様とも言われているほど。

ただし1980年代に入り、材料を効率良く使い切る為に廃止されてしまい

近年は耳付きデニムはこだわりの商品や少し高価な物の象徴となっている。

 

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左からリーバイス501XX50年代、66前期70年代、赤耳80年代。

古い年代は生地の凹凸が出やすい為、耳のアタリが出やすく

色が薄くなってもボコボコとした跡が残りやすい。

古いデニム生地の方が色が抜けにくいので跡もくっきりする。

ジーンズは左からこちら。

 

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自分のお気に入りジーンズ501XXの耳のアタリがこれ。

戦車のキャタピラが通ったような跡がたまらない。

びっしりと上から下まで耳が開いてアタリが出ている物は

ジーンズマニア的には、かなりポイントが高い。

 

脇割り縫い・ロックミシン

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そして耳が使われていない場合は、このようにロックミシン

かがり縫いされ、右端のように割れない物もある。

脇割り縫いなどと言われ、現在のジーンズ作りの主流はこちら。

古いリーバイスでも501以外はこちらの作り方も見られた。

 

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耳を使っていないジーンズの表側の様子。

耳付きとは違って履き込んでも端のラインがほとんど出ない。

↓右端のジーンズはこちら。

 

耳付きジーンズを履く時の注意点

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耳付きジーンズを履く時の注意点に耳の開きがある。

左のように耳がしっかり開いていないと、真ん中や右のように

耳のアタリが出ないので、色が濃い状態の内にアイロンなどで抑えて開いておく。

右は薄くなってから開いたので、良い感じにアタリは出なかった。

新品購入後の履き込む前や、最初の洗濯後はびしっとしておきたいが

ある程度色落ちが進んでしまったら、そのままキープが良いと思う。

 

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とても分かりづらいが、黄色く囲った部分が耳が開いていなかった箇所。

画像左上方向に耳が重なっていた状態、デニムの色が濃い内に矯正しておいた。

このぐらいの濃さなら、薄くなった頃の影響はほとんど無いが

洗濯の度に耳の開きはチェックしておきたいところ。

気にならない方もいると思うが、耳のアタリは売り文句にもなる為

しっかりとアタリが出ている物は、中古取引の値段にも影響して来る。

 

他にはチェーンステッチの裾上げなども挙げられるが

ジーンズは何年も経つと評価が大きく変わることもあり

伝統的な仕様を理解していると良いことがあるかもしれない。

 

まとめ

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耳のアタリはヴィンテージ思考であったり、一つの価値観に過ぎない物だが

自分は人のジーンズファッションを見る時にここを注目していたりする。

街中や電車の中で良い耳のアタリをしている方を見ると

どこのジーンズなのかなと気になって、ジロジロと見てしまったりする。

これはリアルだけでなく、古い映画やドラマなんかでも一緒で

衣装として使われているジーンズのおおよその年代が

耳のアタリを見るだけで、何となく分かってくるのが面白い。