赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.107 レッドウィング8175 メンテナンス編

REDWING COLUMN NO.107 レッドウィング8175 メンテナンス編

10月12日はレッドウィングの日ということで、ここは恒例のレッドウィングネタ。

レッドウィングの日は年に二回あり、この日を迎えると本格的なブーツシーズンに入ったと感じる。

既に何度か書いているけど、レッドウィングの日は創業者チャールズ・ベックマンの命日を

ファンの間で特別な日にしようとして設けられたが、本当の命日は21日と判明している。

なので12日から21日までをレッドウィング週間的な感じにしてしまえばと思っている。

 

今回メンテナンスをする右側の8175は、レッドウィングジャパン設立前の旧代理店時代に開発された

記念すべき日本企画第一号モデルで、近年再販したものの現在はまた廃番となっている。

8175は左の875をベースとし、フラットウェルトからボリューム感のあるストームウェルトと

ラクショントレッドソールをビブラムラグソールにし、よりアウトドア向けへ変更されている。

やはり見た目と同様に重量も若干ヘビーになり、街中での履き心地という点でも通向けなモデル。

 

今回はソルベントフリーと天然素材から出来ている、レザーに優しい系アイテムを揃えてみた。

シューキーパーとレッドウィング純正馬毛ブラシ、現コンディショナーのレザードレッシング。

モゥブレイのステインクレンジングウォーター、モールドクリーナー、クリームエッセンシャル。

それに拭き取りなどに使う布と、緑青除去用のつま楊枝に部分用に綿棒をいくつか。

 

先ずは紐を外してシューキーパーを入れ、基本のブラッシングからメンテナンス開始。

他のブーツメンテナンスのついでに、ちゃちゃっとオイルを塗ったりとかはしていたけど

紐を外して隅々までメンテナンスをするのは、残しておいたデータによると約6年振り。

ちなみにその間で8175を履いたのはブログ用に撮影した時の短時間一回だけ。

 

やはりハトメの裏側の菊割りにはびっしりと緑青(ろくしょう)が発生している。

緑青を完全に取り除くのは難しい上に、しばらく放置していれば再生されてしまうので

ハトメの表側をメインに行って、こちら側はスルーしてしまっても良いと思う。

ある程度だけ綺麗にと思いつつも、この緑青の部分で結局一時間も掛かってしまった。

 

ウェルトのステッチメンテナンス編に続き、汚れ落としにはステインクレンジングウォーター。

ステインクレンジングウォーターを少量ずつ布に取って擦り、ブーツ全体をさっぱりとさせる。

有機溶剤不使用なのと数種類のオイルを配合しているので、汚れと古い油分を取り除きつつ

軽い栄養補給効果もあるので、使用後もレザーにしっとり感が残るのが特徴的。

 

ビブラムラグソールは耐摩耗性が高い反面、逆足との擦れで黒ずむのが避けられない。

これも味ではあるけれど、トラクショントレッドソールよりも明らかに傷が深く入る。

この黒ずみは丸洗いやクリーナーでもほとんど落ちないので、もしも8875や875などで

ソールカスタムを考えている方は、この感じを頭に入れておくと良いかもしれない。

 

左がメンテナンス前で、右がクレンジングウォーターを布と綿棒を使って汚れ落とし後。

レザーの黒ずみは落ちなかったけど、ウェルトのステッチは割と綺麗に落ちる様子。

但しレザーに味がある分、あまり綺麗になり過ぎない様にほどほどにしておいた。

 

ステインクレンジングウォーターの後は、モールドクリーナーを使ってカビ予防。

今回のオロラセット・ポーテージや淡い色のレザーの場合は、黒カビが生えてしまうと

ごまかしが利かなくなるので、そうなる前にクリーナーを布に取って全体を整えておく。

特にウェルトと本体の接合部分と、後程行うインソールなどの内部の予防も重要。

 

8175のオイルアップに使うのは、天然のミンクオイルに蜜ろうと松ヤニがブレンドされた

オールナチュラルレザードレッシング(現在はオールナチュラルレザーコンディショナー)。

市販のミンクオイルよりもべた付きが少なく、ブラッシングで程良い光沢感が生まれる。

指で直接塗り込むとレザーに馴染みやすい上に、使う量が抑えられるという点もある。

 

オールナチュラルレザードレッシングをなるべくムラにならない様にしっかりと伸ばしておき

羽根とウェルトのコバ部分はやや多めにして、履き口のパイピングもしっかり塗り込む。

今回のウェルトのコバは、オイルに含まれている蜜ろうの成分を生かして仕上げる。

この後はオイルがレザーにしっかりと浸透するまで丸一日ほど放置。

 

丸一日置いても浸透しきれずにオイルが残っているので、このまま表面の仕上げに入る。

浮き出ている余分なオイルを布で拭き取ってから、ブラッシングで更にしっかりと馴染ませ

もう少しオイルの感じが落ち着くまで、紐は通さずに室内でしばらく放置する。

 

ミンクオイルみたいなペースト状のオイルを使うと、油分のホールド感がとても強いので

こういう小傷の多い箇所だと、如何にもオイルを塗りましたっていう風合いになる。

でもこの赤黒くなったオロラセット・ポーテージの色には、自分が十代の頃に履いていた

初代8166を思い出したり、レッドウィングとブーツメンテナンスの原点の様な懐かしさもある。

 

ブーツ表面のオイルが落ち着くまで放置している間にインソールを仕上げる。

カビ予防のモールドクリーナーでさっぱりさせ、クリームエッセンシャルで油分の補給。

インソールに若干の硬化が見られたので、奥の方はやや多めにクリームを入れておいた。

何年も履かずにいた場合は、手を入れて指の感覚で確認してみると良いと思う。

 

その後数日放置し、表面のオイル感も落ち着いたので紐を通して全ての作業完了。

左のメンテナンス前と比べると、右はまるで着色したかの様に色が濃くなって光沢感が増している。

やはりミンクオイルを塗り込むと、赤黒くなってワイルドとか味のある風合いに仕上がり

いかにもワークブーツというか、ラフな印象やある意味汚く感じるかもしれない。

乳化性クリームなどを使えばもっと綺麗に仕上がるけど、これは完全に好みの問題。

 

表面はもちっとした手触りになり、埃を拾いやすいので今後は特にブラッシングが大切。

ここから徐々にオイルが抜けて行って、メンテナンス前ぐらいの朱色っぽくなるには

そのまま保管していれば数年ほどと、その色になった頃がオイルアップのタイミング。

8175は余程気が向かない限りは履かない予定なので、その変化の様子を見守りたい。

 

ここ何年かで所有しているほとんどのブーツの丸洗いや、入念なオイルアップを少しずつ進め

今回の8175にも行き渡り、ブーツメンテナンスもやっと一周出来たかなというところ。

こうやって振り返ってみると、ブログ開設当初よりも細かい作業がだいぶ増えているので

次のブーツメンテナンス二周目では、その加わった工程を意識して行なってみようと思う。