REDWING COLUMN NO.66 レッドウィング ニトリルコルクソール
今回はレッドウィング純正の「ニトリルコルクソール」について。
これは主に労働者向けのブーツ用として使われていた物で
ゴム素材に軽量化とグリップ力を高める為に細かいコルク片を混ぜ
耐久性と耐油性に優れた素材のソールとなっている。
第二次世界大戦以降の1950年から80年代と言われているようだ。
近年は製品開発や技術が進み、そしてワークブーツは次第に本来の役目を終え
ファッションアイテムへと姿を変えて行ったと言うことになる。
労働者向けと言っても山林などの足場の悪い環境よりも
屋内の倉庫や工場などの幅広い作業ブーツに採用されていた物。
他には牧場や農業関係で働く方のペコスブーツにも多く使われた。
オイルレジスタントと表記のある通り、オイルやガソリンなどに強く
油田で働く方や製油作業などをする労働者に愛用者が多かった。
やはりその様な環境をメインに考えられた形状になっているようだ。
ただし氷の上では滑りやすいようなので、冬場には注意が必要とのこと。
ニトリルコルクソールは耐久性に優れているが、やや重い部類になる。
ニトリルゴムと言う工業用製品として使われることが多いゴム素材に
軽量化を図る為に混ぜられたのが、このベージュ色のポツポツとある物がコルク片。
このコルクは滑り防止効果もあり、古い年代ほど多く含まれる傾向にある。
ソールの側面からもコルク片は確認出来る。
このモデルはヒールもコルク片が含まれている物を使用している。
やはりアッパーは茶系と相性が良いが、黒レザーでもハマる。
黒レザーと合わせてシックで大人っぽい雰囲気に。
現在ほとんど見かけないが、抹茶アイスのようなグリーンのソールもある。
ヒールもコルクが含まれている物と合わせることが多い。
左はレッドウィング純正ヒールで、右はビブラム#700ヒール。
共にブラックのヒールもある。
左はコルクソールの8161と右はトラクショントレッドソールの8160。
共に廃番だが、ブラウンチーフシリーズとして1998年後半からラインナップされた物。
紐やハトメとフックなどの違いもあるが、同じこげ茶色のガラスレザーを採用。
左の8161の方がミッドソールが無い分スマートな印象。
着用感が全く違うので同じレザーと言っても色の深みが全く違う。
左の8161みたいなクラシカルなスタイルのサービスシューズは
個人的にはラインナップされるのが早かったと思っている。
現在みたいな渋めのモデルが好まれる時代なら評価は大きく変わったはず。
左1188コルクソールのペコスと右8168トラクショントレッドソール。
やはりコルクソールの方が若干スマートに見える。
1188は古くからあった伝統的なモデルだが割とマイナーな存在。
こちらも現在は共に廃番となっている。
ファーマー感の強いベージュ色のラフアウトのペコス。
ベージュのラフアウトとブラウンコルクソールの愛称はとても良い。
色味や毛足の長さなど年代で違いがあるのもラフアウトレザーの特徴。
クラシカルなヒール付きのコルクソールのペコスの方が大人っぽく見えるが
だいぶウエスタンブーツ寄りになるので、トラクショントレッドソールほどの
汎用性がないので、そこがマイナーモデルとなったと言うところだろうか。
こちらは自分で架空のコルクソールシリーズと言う設定でカスタムした三足。
左8160、中8165、右8167の全て白いトラクショントレッドソールだった物。
8167は元々フックが付かないので敢えてそのままにした。
アウトソールを張り替える時にカスタムをして楽しむのもアリ。
ミッドソールとヒールベースを1枚入れてボリューム感を少し出し
クラシカルさにドレッシーな雰囲気をと言うイメージ。
紐は平紐に変更し、カスタム費用は一足大体2万円近く掛かっている。
この3足分で新品が買える値段だし、似た物があるのは自分でも分かっているけど
何年も前から計画していたので、引くに引けないようになっていたと言うのもある。
9011ベックマンカスタムもコルクソールをチョイスしている。
アイアンレンジ(アイアンレンジャー)の旧品番で使われていたが
現行の物はヨーロッパ仕様と統一し、溝がある別のソールに変更されている。
ニトリルコルクソールは現在使われるモデルが少なくなっている。
主張の少ない分だけアッパー部分がとても引き立って
スッキリとまとまるところに自分はとても魅力を感じている。
元々シンプルなのが好みと言うのも多分にある。
しかも1950年代~80年代頃に多く使われたソールとなると
やはりその時代の服が好きな者としては惹かれる所があるのかな思ってしまう。