赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

本日のMr.Children 「深海」

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本日のMr.Children 「深海」

今回はミスチルのアルバム「深海」について。

1996年6/24に発売し、「名もなき詩」「花 -Mémento-Mori- 」のシングル曲収録。

作品のテーマは心の内面の深い部分=深海に潜って行くような物で

虚無感やダークな内容が目立つ、ミスチル史上最も哲学的なアルバム。

楽曲のポップさやキャッチーさ、心をつかむ美しいメロディーと歌詞が

大衆に受け評価されて人気を獲得したミスチルが作った異色の作品で

このアルバムは洋楽好きなどのミスチルファン以外にも支持を集めることとなり

ミスチル屈指の名盤もしくは迷盤とも言われ、当時は問題作とも評された。

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海の底に沈んだ椅子が何か異様な雰囲気のあるジャケットデザインに

右は深海発売当時に販売店で貰ったノベルティーの紙製の袋。

ビニール袋ではなく、購入者にこれで持たせることで宣伝すると言う戦略らしく

片付けた時にしまってしまい、探し出すのに大変だった。

楽曲のアレンジはグランジやいにしえのロックにフォークサウンドなど

アナログレコーディングがバンドサウンドを強調させ、独特の世界観を作っている。

また曲と曲が切れまなく繋がっているところもあって

アルバムを通して1曲のようにまとめられているのも特徴。

発売後のライブツアーではアルバムの曲順通りに全て演奏された。

 

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こちらは深海の一つ前のアルバムの1994年9/1発売「Atomic Heart」。

CROSS ROAD」「innocent world」などブレイク期の楽曲が収録され

左が初回盤で右が通常盤の物だけど何故両方あるかは覚えていない。

それまでミスチル渋谷系やシティポップなどのJPOPの音楽性を踏襲した

爽やかさが売りなところがあったが、無機質なサウンドや少しドロドロとした内容の

歌詞の変化などが見られ、現在の地位を築いた一つのターニングポイントでもある。

結果的に340万以上売上げミスチル史上NO.1ヒット作になったが

Atomic Heart発売前はその路線変更にレコード会社が難色を示したらしい。

深海はそれを越え、更に大きく変化を遂げることになる。

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そして深海と切っても切れない次回作、1997年3/5発売の「BOLERO」。

「Everything (It's you) 」などを収録し深海から短期間でのリリースされ

Atomic Heart以降活動休止までの作品はこの2枚にまとめられている。

制作時期も重なり、この2枚は二つで一つのような存在と言われているのは有名な話。

作品の方向性が大きく違い、完全にコンセプト化してる深海に対し

BOLEROは雑多なベストアルバム的存在になっている。

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この2枚のことはもう語り尽くされているところがあるけど

シングルの発売順は左から右の順番で「Tomorrow never knows 」や

「【es】 〜Theme of es〜」「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」など

深海のテーマに合わない楽曲は後発のBOLEROの方に収録されることになった。

深海が問題作と言われた一つの理由は、爆発的人気を誇った時期に

大ヒットシングルの収録を後回しにしたこともある。

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アーティスト写真も楽曲同様にAtomic Heartから大きくイメージが変わった。

楽曲は好きだけどビジュアル的な部分には正直魅力を感じていなかったので

深海は個人的にはめちゃくちゃカッコ良くなったと思った。

セピア色な画像が物語るように、レトロ感や物憂げな雰囲気をまとい

戦争や社会風刺など、深海はハッピーな要素はあまり感じられなくなっている。

衣装はかつて代官山にあったMASH東京の古着のミリタリーアイテムで統一され

この雰囲気に憧れて真似してお店に何度も行ったのを覚えている。

 

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そして、子供と大人かと思ってしまうほどのギャップ。

上のアイドル的存在だった1994年ブレイク期「Atomic Heart」と

下はブレイクしてもそこに何も無かったと悟った、1996年「深海」。

2年弱でここまで変わってしまうと、その間に何があったと思うかもしれないが

ミスチル現象」という言葉があったぐらいに、取り巻く環境が大きく変わり

スターとして扱われることで、心も体も疲弊していった時期。

当然この変化について行けず、初期のファンなど脱落する方も多かったが

そういう作品コンセプトやイメージを貫く、アーティスト志向が強くなり

本物のミュージシャンへと大きく舵を取って行くことになった。

 

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楽曲の解説は得意じゃないので、それぞれの詳しいレビューは割愛。

ただギターはやっているので、そこを中心に聴いている者として

深海の中で特に好きな曲は「シーラカンス」と「深海」。

シーラカンスニルヴァーナを意識した重厚感のある田原さんのギターサウンド

深海は桜井さんがエアロスミスジョー・ペリー風に弾いたギターソロがたまらない。

鹿児島が生んだ某大御所シンガーが憑依した曲も嫌いじゃない。

バンドスコアも出して少し確認してみたけど、今でも行けそうな気がする。

 

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全ての期間とは言わないけど、自分はミスチルの最新=最高という感覚が強いので

過去のアルバムをあまりじっくりと聴き返すことがなくて

ライブ映像で久々に聴いて単発的に振り返るぐらいのスタンス。

深海は特に重苦しくて、聴く側にもストイックさが必要な気がしていたので

いつの間にか封印でもしたかのように、過去の作品の一つになっていたけど

フラットな気持ちで久々にじっくり通して聴いてみると

重苦しさよりも最後の浮かび上がるような解放感が心地良かった。

改めてとても好きなアルバムだったんだなと感じることが出来たし

あの時代の劇的な変化に自然とついて行けているから

現在も変わらず聴き続けているのかもしれないなとも思う。

深海はそんな気持ちを気付かせてくれたアルバム。