赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.90 レッドウィング ブラシを育てる

REDWING COLUMN NO.90 レッドウィング ブラシを育てる

「ブラシが育つ」とは、簡単に言うと使い込まれたブラシのことになる。

ブラッシングを繰り返し行うことで、自然とレザー表面のクリームやオイルの成分が

ブラシの毛にコーティングされ、埃落とし時の簡易的なブラッシングだけでも

まるで何かを塗ったかのような美しい光沢を生み出すことが可能となる。

9011ベックマンブーツを購入して本格的にブーツメンテナンスにハマって以降

ブラシを育てるという表現があるのを知り、ブーツを綺麗に保つということに加え

一度で二度美味しいような、新しい楽しみ方や関わり方を教わった気もした。

それからはブーツメンテは掃除とは別物の趣味の一つともなったかもしれない。

 

ブラシは用途別にいくつあっても無駄ではなくて、例えば一つのモデル専用にしたり

レザーの素材やクリームの色ごとで細かく使い分けるなんて方も多いと思う。

但し趣味で使う程度でブラシを育てるとなると、どれかに絞って使い込むことも必要で

以前は一本で埃落としから仕上げもしていて、蜜蝋入りを多く使用していたこともあり

育てるにはこれが良かったようで、他のブラシとは光沢具合が明らかに違っていた。

 

現在所有しているレッドウィング純正馬毛ブラシはこの四つ。

持ち手の形状や塗装、レッドウィングのロゴなどでざっくりと年代判別が可能で

左から2000年代半ば以前、2000年代後半、2010年代前半、2010年代後半以降。

(仕様変更は予告なしで行われているので、これ以外にある可能性あり。)

密かに名前も付けていて、左から大御所、ベテラン、中堅、ルーキーとしている。

 

全て馬毛とは言っても、生産国が違えば毛の質も時期によって大きく違っている。

大御所はほぼ使用されていない状態の物を見付けて購入の使用目的じゃないブラシ。

お気に入りは15年程前に購入以来使って来たけど、ここ2年休止状態のベテラン。

以前は中堅を特に用途を決めていなかったけどラフアウトレザー専用にしていて

ルーキーは2年前に購入し、現在のメインブラシとして育てる為にフル稼働中。

 

ブラシの比較として光沢感が分かりやすい茶色のガラスレザーの8161を使い

ベテランに変わって、二年程使い込んだルーキーは育っているのかを確認してみた。

トゥからバンプ部分(紐手前)の表面をステインリムーバーでリセットさせてから

もちろん何も付けずに、それぞれのブラシで1分間ブラッシングを行った。

 

左がベテランで、右がルーキーをブラッシングした後の状態。

肉眼で見ると光沢感の差は感じたけど、撮影画像では大きく違うというほどではない。

※編集上ステインリムーバーでリセットした状態は少し後に載せている。

 

やや左の方が光沢に鋭さを感じるけど、入れ替えでベテランが二年休む間に

メインとして使い込んだルーキーの成長度合いはなかなかのものかもしれない。

初期はクリームを塗った後の艶出しも全然だったのを思うと感慨深いものがある。

 

こちらは再リセットさせ、左がルーキーで右が中堅でブラッシングした画像。

ほぼ互角か、右の中堅がやや上回っているかもしれないと感じる。

 

ある程度使い込むとその差を表現するのは難しいかもしれないと思いつつ

再度ステインリムーバーでリセットしたのがこちらの状態。

左側の方が光沢感が出やすい個体かもと、次は左を大御所で右をベテランで再比較。

 

そしてこちらが左が大御所、右をベテランで1分間ブラッシングした画像。

まるで何もしていない、片や何かを塗ったかのような大きな差が生まれた。

本当に一切ヤラセをしてなくて、ベテランでサッサッサッと10秒も掛からずに

ピカピカになるけど、大御所では気合を入れてみても鈍いままにしかならなかった。

 

少し引いてみても明らかに右の方が光沢感が強く、レザーが引き締まって見える。

差が分からないって方は、トゥの丸く反射している付近を比較すると分かると思う。

 

またリセット今度は左をベテラン、右を大御所でブラッシングしてみたけど

左は充分な光沢具合で、右は鈍いままあまり変化が出ないという結果になった。

 

外側になる方が大御所で中央にベテランになるように両側の画像を並べてみても

育ったブラシでのブラッシングと、そうでない物では大きな違いがあるのが分かる。

 

色んなパターンを試してみたところ、やはり大御所とベテランが一番の差があった。

以前新しく購入したブラシで艶出しの仕上げに使ってみたら、光沢が全然出なくて

普段から使っているブラシと新しいブラシとでは、こんなにも違うのかと驚いたけど

古いブラシも使い込まれていなければ同じなのも今回の検証で良く分かった。

 

短時間の間にレザー表面を何度もステインリムーバーで拭いてしまったので

その労いの意味を込めて、久々にレッドウィング純正クリームで潤わせて終了。

ちなみに仕上げのブラッシングは化繊や豚毛を使わずにルーキーのみで仕上げてみた。

以前と違ってルーキーとは言えないような、良い仕事をしてくれた。

 

今回それぞれのブラシで光沢感の違いを比べてみたところ、育つ=現役のように

レザーも放置すればオイルが抜けるし、ブラシに残った成分の劣化も考えられそうで

二年休んだお気に入りのベテランも以前ほど絶大なポジションではなくなっていた。

そうなるとこのままルーキーを使うべきか、またはベテランを再度メインにするのか

これからはモデル毎に分けるのもアリかもと、とても悩ましくなってしまった。