近所メシ第25回 角平(かどへい) 天丼半熟揚げたまごトッピング
今回はいつもより少し贅沢したくなって、蕎麦と天ぷらのお店の角平へ訪問。
角平は戦後間もない1950年に現在のようなそば屋として営業を開始した老舗で
昼時や休日は入店待ちの行列が出来るほどの賑わいを見せている。
古くから多くの著名人に愛用され、ドラマのロケ地にもなったこともあって
ちょっとした観光スポット的な楽しみ方も出来たりする。
店舗は名前の通りで平沼の角地にあり、横浜駅東口から徒歩8分ほど。
2021年11月現在は11時から20時半(ラストオーダーは20時)までで
基本は火曜日が定休日だけど、社員研修等で臨時休業の場合あり。
いつも開店時間の11時より少し早めに開いていて今回は一番乗りで入店。
入店時には検温もあり、座席にはパーテーションも完備していて対策バッチリで
混雑していても安心して食事が楽しめるようになっている。
神奈川県をお膝元にしている菅前総理の写真や、元横綱白鵬の写真も飾ってあり
横浜で相撲が開催された時は宴会場を貸し切って利用していたらしい。
角平の文字を縦に並べると「亀」のようにも見えるということで
この画像には写ってはいないけど、縁起の良い亀の飾りを置いているとのこと。
角平の看板メニューと言えば、やはりこのつけ天。
温かいつけ汁に海老天を入れて、冷たいそばをすするというもので
特別小食でなければそばの量を増やすのがおススメ。
こちらは以前訪問した時に注文した時のつけ天普通盛り税込み1260円。
角平のつけ天は、中華街や家系ラーメンほどの全国的な知名度はないけど
もし個人的な横浜のグルメを満喫するリストを作ったとしたら上位に入る。
そうして注文から5分ほどで天丼半熟揚げたまごトッピング税込み1570円の到着。
しじみの味噌汁と漬物付きに、胃もたれ覚悟でサービスのご飯大盛にしてみた。
角平の天丼は海老天2本というスタイルで、+100円の揚げたまごを乗せているが
もちろん野菜のてんぷらやかき揚げなど好みの具材にすることが可能。
丼からはみ出ていてテレビのリモコンぐらいありそうな立派な海老天。
とげとげとしていて迫力ある衣は香り豊かなごま油で揚げられていて
天つゆがしっかりと染み込みつつも、サクサクを越えてバリバリとした食感が残り
老舗ならではの技術が感じられるもので、普段食べているてんぷらとは全くの別物。
一口かじると衣の中からぶりんぶりんな海老が顔を出した。
湯気で曇っている感じからも揚げたての熱々な感じが伝わるかもしれない。
天つゆが染み込んでいるご飯はそれだけでも全然成立しているけど
後半は半熟揚げたまごを使って味変して更にご飯を楽しむ。
天丼は魚介や野菜などの色んな食材が乗るのが一般的だと思うけど
海老天だけみたいに振り切った感じはある意味新鮮だった。
大盛は多かったかなと、満腹感に浸ってお茶を飲みながらぼーっとしていると
入口のガラス窓の部分に日差しがちょうど良い具合に掛かったようで
掘られている角平の文字が床に写っていて、ちょっと得した気分になった。
折角なので食後にこの辺りを少し散策してみた。
店舗の数m先に電車が走っているという、この密集した感じにもレトロさがある。
先程の画像から左側へ少し歩くと幅が広めの箇所があり
ここは戦時中に利用が停止された、現京浜急行の旧湘南線平沼駅の跡地。
老朽化がかなり激しいが定期的に補修しながら史跡として残しているらしい。
ホームへと昇る階段や歴史を感じるタイル張りの柱もちらっと見える。
1945年の横浜大空襲時には近隣の方が逃れる為に駆け付けたが
駅施設も壊滅的な被害を受けて、多くの犠牲者が出てしまったようだ。
ホームの端の部分や当時の物らしきレンガが一部見られる。
この被害のすぐ後に角平は開業し復興へと歩んで行ったことを想像すると
当時の方の努力や逞しさみたいなものを感じられたような気がした。
美味しい物とは全く別の戦禍の遺産みたいなところで締めになってしまったけど
次はまた年末辺りにでもつけ天を食べに来ようと思う。