「Danner ダナーライト丸洗い 後半 乾燥・仕上げ編」
「Danner ダナーライト丸洗い 前半 漬け込み・洗い編」に続いて丸洗いの後半。
ブーツの丸洗いは少しコツがあるが、割と身近になったメンテナンス方法で
汚れ落とし以外にも、オイル抜きや内部のリフレッシュなどの目的があり
今回はブーツ内部をフレッシュにしたいと言うのがメインになっている。
前半の漬け込み・洗い編、丸洗いしているブーツはこちら↓
ダナーライト丸洗い 後半 乾燥・仕上げ編 目次
丸洗いに用意したアイテム
先ずは丸洗いのおさらいとして、用意したのは深めの洗濯バスケット
浮き上がり防止のペットボトル、使い古しのバスタオル、中に詰める用の新聞紙。
レクソルレザークリーナー、持ち手付き馬毛ブラシ、ナイロンブラシ。
モゥブレイのデリケートクリーム、クリームエッセンシャル&塗布用の布。
防水スプレー、埃落としや仕上げに掛ける馬毛ブラシ。
後半の仕上げ編でメインに使うアイテム。
モゥブレイのデリケートクリーム、同じくクリームエッセンシャル。
陰干しでの乾燥
前回からの続きの陰干しをして、一晩もしくは半日ぐらいの状態。
途中で水分が少ないタオルの上側をつま先の方に入れ替えた。
もうこのタオルでは吸えないぐらいになっているので次の詰め物に交換。
ちなみにこれで半分ぐらいは乾いたかなと言う感じ。
次は新聞紙にしたが、インクの色移りが気になる場合は
また新しいタオルか、キッチンペーパーなどにする。
こちらも水分の染みこみ具合の様子を見て交換する。
乾燥時のオイルアップ
後半乾燥編の最大のポイントが半渇きでのオイルアップ。
レザーは程良い水分と油分が必要とされていて
丸洗いで油分の膜が無くなり、水分が留まることが出来なくなる。
この乾いて行く段階に劣化の恐れがあると言われ
つまり劣化を回避する為に、このタイミングでオイルアップが推奨されている。
人間のお肌のケアと一緒で、お風呂上がりの化粧水や乳液を入れる感じ。
なので他の革製品も荒天時などで、激しく濡らしてしまった場合は
なるべくオイルアップをした方が良いとのこと。
モゥブレイなどのデリケートクリームは水とラノリンを主成分とし
レザーに適度な水分と油分を補給出来る、とても優れたクリームで
浸透性も高く、乾いてパリッとした手触りがもちもちとして来る。
デリケートクリームを塗り込んだ後はそのまま陰干しを継続する。
少し渇くペースが早く感じたのでデリケートクリームを追加。
これは状態を見てなので、必要ないのなら省略でOK。
こんな感じでベタベタ塗ると白く跡が残るので
きっちりと指で塗り込み、仕上げに馬毛ブラシで馴染ませる。
普段サボりがちのコバの部分もしっかりと塗り込んだ。
詰める物を新聞紙にしてから一晩、奥側以外は渇いて来ているので
つま先のみに新しい新聞紙に代えて詰めておく。
斜めに立てかけて、中の方の湿気が逃げやすいようにしておく。
乾燥に入って丸2日、新聞紙を取り除き完全に内部の乾かしに入る。
触った感じはほぼ渇いているが、内部奥深くは水分が残っているので
このまま最後の仕上げられる状態になるまで陰干し継続。
部屋干しでも生乾きの嫌な臭いは全くしない。
この陰干しの期間はブーツの種類や季節にもよるが
乾いているかなと思っていても、少し長めに取ると良い。
今回は乾燥が早めに感じたので、+5日の全部で一週間にした。
※もしも革製のインソールを使用しているモデルであれば
ここでインソールにもしっかりとオイルアップしておく必要がある。
理由は乾燥時のひび割れ防止と着用時の履き心地の向上。
仕上げ
別途洗って干しておいた紐と仕上げ用のアイテムを使う最終段階。
度々登場する、モゥブレイのクリームエッセンシャル。
ダナーライトは防水レザーで、ミンクオイルなどは浸透しにくい印象があるので
表面をコーティングするクリーム系が良いかなと思っている。
布に取って伸ばして、履き口なども入念に塗り込み
馬毛ブラシでブラッシングをして、しっかりと馴染ませる。
最後はコロンブスの防水スプレーを吹きかける。
レザーや布製品など幅広い素材のアイテムに対応している。
一応、サイドのナイロン生地をメインに吹きかけた。
良く振って対象との距離を取りながら、屋外での使用が推奨。
スプレーで一時的に濡れた感じになるので、ブラッシングしてしばらく放置。
防水スプレーが乾いたら、紐を通して丸洗いの全工程終了。
丸洗い開始の漬け込む前からちょうど8日間掛かった。
これを業者に頼むと、納期は早くて1週間で安くても3000円からと言うところ。
メンテアイテムを一から揃えるとなると3足目ぐらいで元が取れる。
まとめ
一応申し訳程度にだいぶ前に撮った画像と比較。
右が丸洗い後、長時間漬け込んでも染みや変色したりしてはいない。
レザーも特に状態が悪くなっていないのが分かる。
元々こんなに光沢感があるレザーじゃなかったけど
いつの間にかピカピカに育ったなと言う印象。
同じく右が丸洗い後、多少シャキッとしたぐらいでほぼ変わらない。
この雰囲気が変わらないようにするのが、丸洗いの最低限の仕事で
相当汚れていれば劇的に良くなるのは当たり前のことだけど
劣化や失敗も大いに有り得るので、多少遠回りになっても
しっかりとした手順を踏んでケアをしたい。
今回の仕上がりも満足と言うか、予想通りの出来映えと言う感じで
ブーツ内部も新聞紙やクリーナーの良い香りがしていて
鼻と口を突っ込んで深呼吸しても全く問題ない。
ブーツは頻繁に洗う必要はないけど、たまに洗ってあげると
またこれからもガンガン履いてやろうと言う気になる。
次洗う時はアウトソールの張替えのタイミングの予定。
8月のこの時期はエアコンが稼働していれば室温そこそこで
湿度も低いので室内で乾かすのには条件が良い。
昼間や夕方は、水道水がそのままでも温いのでガス代も節約になる。
本格的に涼しくなる前が丸洗いの良いタイミングかもしれない。