REDWING COLLECTION NO.39
RW-8111 P2第2工場 2013年6月製
レッドウィング・アイアンレンジ8111
8111は2009年に日本企画としてデビューし、海外でも展開しているモデル。
これは旧品番となっていて、2018年に品番整理が行われた際に
8111は別モデルに当てられ、この旧8111は現在の8081へと移行している。
※2020年に8081は廃番となり、ソール違いの8111へと一本化した。
アイアンレンジはレッドウィング社のある米国ミネソタ州の鉱山地域の名称で
このモデルはそこで働く労働者たちに愛用された旧時代の物を再現している。
ベースとなっているのは、現在は廃番の丈が少し長い915と言うモデルで
8111は915の80年代後半までのコルクソール仕様の時期の物を
再現したモデルと言う位置付けになっている。
ちなみに海外ではアイアンレンジャーと呼ばれている。
アイアンレンジは、つま先にもう一枚レザーを重ねたキャップドトゥに
他のモデルではあまり見られないバックステイが特徴的。
ワーク仕様らしくフックが採用され、茶色×黒の紐が付いている。
丸みのあるプレーントゥ、もしくはラウンドトゥに
アイアンレンジの最大の売りのキャップドトゥ。
キャップドトゥは作業靴として安全に配慮する為の古い作りで
安全靴が近代化して行き、つま先にスチールを入れる手法が
一般的になって行くと同時にフェードアウトして行く。
このブラウンのレザーはアンバー・ハーネスと言う名称。
オイルをたっぷり含んだ、プルアップレザーと呼ばれる物。
オイルドレザーの一種で、細かい擦り傷が付きやすいが
指で軽く擦るだけで馴染ませることが出来る。
アンバー・ハーネスは表面がとてもナチュラルで、牛の本体にあった皺や傷がある。
ぬめっとした指触りは犬刻印期のオロイジナルと近い。
このソールは耐油性に優れ、ワーク仕様の物に多く付けられて来た物。
現8111品番はソールに溝のある、ミニラグソールの海外モデルの方に付けられ
旧8111と同じニトリルコルクソール仕様の物は現8081へと移行しているが
ソール以外の仕様変更は特に無いそうだ。
※日本仕様の8081は廃番し、ミニラグソールの8111のみの展開へ。
現行タイプのタグはP2の第2工場で一括生産されるようになった
2000年代後半から工場番号が入らなくなった。
工場番号有り→工場番号無し→㎝表記有りと移り
現在は表記に使われるフォントがだいぶ変わっている。
レザーインソールはつるっとしていてビジネスシューズっぽい作り。
90年代のレッドウィングで育った人間としてはタグと
このインソールの違いはカルチャーショックに近い物があった。
このモデルはベロがフック裏の菊割りで傷付きやすい。
自分の物は大して履き込んでいないので、まだまだ大丈夫だが
破れてしまったりする場合があるので、菊割り部分に何か貼るか
パーツその物を変えてしまうことで対応したりするようだ。
このレザーのメンテは仕上げたい方向性でかなり違いが出て来る。
ミンクオイルを入れれば、やや濃いめで光沢感のある表情になり
黒ずみを抑えることが出来るので、ナチュラルな仕上がりになる。
自分は後者の方を選び、さらっとした液状のレクソルコンディショナーを
使用しマットに仕上げるようにしている。
レクソルコンディショナーはミンクオイルなどよりも塗りムラが少なく
化粧水のように乾く時に油分が留まり、べと付かずしっとりと仕上がる。
黒ずみも控えめなので、色が薄いレザーや塗膜の薄いタイプには相性が良い。