ひと夏の間だけの野良猫との思い出。
本日も夏の終わりのどうでも良いような記事を書いてみた。
その野良猫の名前はサムライ。
サムライは自宅の近所に住み着いた野良猫で
名前は友人が、この写真を見て勝手に名付けたもの。
この写真を久々に引っ張り出して来たが、時代を感じる画質。
当時はケータイにカメラなんてなかった時代。
最近になって昔住んでいたところが
再開発の為に取り壊しになるのを知った。
自分が生まれてすぐに移り住み、20年以上住んでいたので
生まれ故郷とか田舎と言えば、そこのイメージが強い。
夏休みは特に外での遊びの方がメインだった。
そこは古い建物だったけど都心に近い割りに、正に大自然と言う環境で
春は桜、夏はカブトムシやクワガタ、秋はコオロギやカマキリが取れ
サワガニやキジ、タヌキまでいるようなところだった。
いざ取り壊しを知ると、普段全く頭になかったような
様々な記憶が蘇ってきたが、その中の一つに猫のサムライのことがあった。
サムライの出没スポットは決まっていて、自宅から50メートルほどにある
マンションの入り口の植木の中か、そこの駐車場だった。
サムライは帰宅時に必ず近寄って来て足にすりすりして来る。
振り切ろうとしなければ、ずっと付いて来るので、それはそれは可愛かった。
すごく人懐っこくて、生粋の野良とは違うのかもしれないが
そんな性格なので、近所の方々にもサムライは特別に可愛がられていた。
色々と問題はあると思うが、エサは充分に貰っている様子だった。
当時住んでいたところは山の上で、駅から徒歩15分ぐらい。
夏場は帰宅するだけで、汗だくになるようなところだった。
そのまま帰宅するのが嫌だったので
汗を引かせがてら、サムライとたわむれてから
帰宅するのがお決まりのパターンになって行った。
夕方の早い時間の帰宅だと、大体が先約がいるので
遠巻きに挨拶して帰ることになってしまう。
主にバイト帰りの週に数回ほど、サムライとたわむれるようになり
ただ隣に座って撫でたりしてただけだけど
特別な気分になっていったのを覚えている。
だけど夏の終わりごろの少し涼しくなったころになると
サムライを見掛けなくなってしまった。
辺りを見回ってみたけど、全く見つからなかった。
残念な気持ちになったけど、あんなに人懐っこいサムライのことだから
どこかの家に貰われて行ったのだろうと思い込むようにした。
もしくは元の家に帰ったのかもしれない。
こうして唐突にサムライとの日々は終わってしまった。
サムライはもう生きていないだろうけど
その当時に履いていたブーツとジーンズは手元に残っている。
地べたに普通に座っていたので、ジーンズには汚れが染み付いている。
もしかしたらサムライの匂いが残っているかも?なんてw
他の猫やアイテムだけを見ても、サムライを思い出すことはなかったけど
ちょっとしたことで、無意識的に様々な記憶が蘇る感覚って何なんだろうか?
匂いとか味とか肌触りとか景色とか。
人の記憶と言うのは不思議な物だなと思ってしまう。
特に何てことはないんだけど、昔住んでいたところと
野良猫と過ごした夏のエピソードでした。