ジーンズまたはデニムの裾のアタリ出し加工。
裾上げをしたジーンズの裾を、裾上げ前の状態のように
履き込まれた感じの風合いを再現をすること。
新品でもユーズド加工された物を裾上げをすると
まっさらな仕上がりになり、その魅力が半減してしまう。
そこで裾のアタリ出し加工をするのだが
購入店ではそこまでの充実したサービスはほとんどなく
服のお直し店や専門業者に頼むことになる。
この作業は裾上げ+色落ちさせる為の加工が必要で
工賃や送料を含めると結構な費用が掛かってしまう。
検索してみると分かるが、プロの仕事なので仕上がりは抜群。
相当高額な物や記念的なジーンズであれば利用を考えるところ。
以前にも自分で数本加工をした経験があるのだが
DIYって言うほどの大げさな作業ではなく
比較的手頃なので、久々に裾のアタリ出し加工をしてみた。
ジーンズの裾のアタリ出し加工 目次
加工前
こちらは中古で購入した国産のジーンズ。
色残りは80%ほどの濃いめで、そこまで履き込まれていない状態。
前所有者は高身長だったようで、裾を直してから着用している。
ロールアップすることも多く、裾のアタリはまだまだな感じ。
アイランドスリッパや花見の記事でチラッと写り込んでるのはこれ。
今回は既にチェーンステッチで裾上げ済みだが
アタリや捻じれなど、普通の裾上げ方法のシングルステッチとは
変わって来るが、費用面や好みの問題があるので
どう仕上げたいかで選ぶと良いかもしれない。
チェーンステッチについては↓の記事に書いてあるので
まだ見てない方は合わせて見るのがおススメ。
今回アタリ出し加工したジーンズは↓
裾を濡らす
先ずは裾を濡らして、裾のアタリが良く出るようにする。
糸や生地の縮みなどで、波状のうねりが出る仕組みだが
何度も洗濯した物はなかなか出にくかったりする。
画像にはないが、水で濡らした後に熱湯も掛けて見た。
もちろんこのタイミングで洗濯するのもOK。
乾燥
ドライヤーで強制的に乾かしてアタリを助長。
効果があるかどうかは微妙な感じ。
ガッツリ出したければ乾燥機に入れるのが一番。
しっかりと乾かした方が良いので乾くまで放置。
もちろん天日干しでもOK。
やすり掛け
裾がしっかりと乾いたら、サンドペーパーを使い擦って行く。
細目と呼ばれる400番手をチョイス。
工作用のルーターや、鉄のやすりなどでもOKだが
仕上げ用の目が細かい物で様子を見ながら行うの良いと思う。
約10分ほどサンドペーパーで擦ってみた。
㊤は加工前、㊦が加工済の状態。
やってみるとアタリを出した方が雰囲気が良いのが分かる。
ステッチの上の白い線は、裏側の折り重なった生地が当たるところ。
ここも軽く擦っておくと雰囲気が良くなる。
ステッチが切れてしまっては本末転倒なので優しく仕上げる。
裏側は履けばすぐに擦れるが軽くやっておく。
こちらはステッチが立体的で傷付きやすいので慎重に。
生地が重なる脇の部分の膨らんでいるところは、しっかりめに擦っておく。
生地を馴染ませる
擦ったカス落としの為に水で洗い流す。
擦れたデニム生地の粗い感じを馴染ます目的もある。
後は乾くまで干して一先ず作業終了。
これはやってもやらなくても、どちらでも良いと思う。
完全に乾いたのを待って、全体を見つつ少し修正して完成。
結構自然な感じに仕上がったと思う。
個人的には目指す形の手前のやり過ぎない程度で
終わらせた方が良いんじゃないかと思っている。
着用と洗濯を重ねると裾のアタリの強弱がもっと出て来るので
ガイドライン作りと言うか、裾は履いてるだけで良く擦れるので
あくまで完成形は自分で履き込んで自然に仕上げることだと思う。
こちらは反対側。
斜めにうねりが出ているところは、ゴツゴツとアタリが出て良い感じ。
Before After
これはビフォーアフター。
裾上げ後に何度も履いていたので、若干アタリは出ているが
濃いめだから加工しなくても良いかなと思っていたけど
やっぱりやった方が雰囲気がぐっと出ていてカッコイイ。
その他の実施例
折角なので、ユーズド加工ジーンズを以前自分で加工した物。
色残りは50%程の物なので濃いめよりも難易度は上がる。
こちらもチェーンステッチで裾上げしている。
仕上がり的には、まあまあな感じ。
こちらは色残り20~30%ぐらいのユーズド加工ジーンズ。
同じくチェーンステッチで裾上げしてある。
薄ければ薄いほど難易度が高くなり、しっかりめに擦る必要がある。
少し解れたところが出たが、解れが出るぐらいがちょうど良いかもしれない。
あまり良い感じとは言えないが、最低限の感じは出来たかなと思う。
今回は新たに費用が掛かっていないが、一応書き出してみると
チェーンステッチの裾上げが1080円、サンドペーパーが100円。
ただ裾上げをしに行く交通費が結構掛かったので
合計で2000円ほど掛かった計算になる。
作業時間は乾き待ちを含めなければ30分程度なので
もし気になる方は試してみるのもアリかもしれない。