ジョンブル「SEWING CHOP」508BD。
懐かしのジョンブルシリーズ第一弾。
ジョンブルは1963年から続く日本のデニムメーカー。
「SEWING CHOP」はかつて有ったジョンブルの別ラインで
ベーシックカジュアルを中心にレプリカジーンズなどを展開していた。
近年は経営面の見直しなどもあったそうで、社外の専属のデザイナーが付き
より若い層向けへとブランディングして行っている。
国産レプリカデニムメーカーとしての一面もあったと言うのは
当時のアイテムを知らない方にとっては新鮮に見えるかもしれない。
508BD、長年履き込んだように最初から加工された物。
あまり履いていないので、元の状態からほとんど変わっていない。
シルエットはベーシックなレギュラーストレート。
90年代のヴィンテージレプリカブームの頃の物で、おそらく定価は2万ほど。
購入した時期は2000年代半ばか後半ぐらいだったが
セール価格になっていたので、かなり安かった覚えがある。
ジョンブルは昔からユーズド加工を得意としていて
実際に着用していたような立体的な色落ち加工に定評があった。
その技術などを生かし、アメカジ色の強いイメージから脱却して行く。
他のジーンズメーカーよりも、レディースの展開に力を入れているので
その辺りのシフトチェンジの仕方は他とは少し違うところがあった。
ぱっと見では、何年も履き込んだように見えるリアルな加工。
細部を見ると加工感はあるが、耳のアタリや腿の色落ちは見事。
縦落ち感はそこまで無いが、ヴィンテージ感は充分。
膝裏の加工は若干のやり過ぎ感があって
不自然さがあるのは残念だが、手作業なので個体差が大きい部分。
ただ20年以上前の物と考えると、クオリティーは高いと思う。
ヴィンテージ感のある紙パッチ。
中央にはミシンがデザインされている。
ボタンフライに並行ステッチ、隠しリベット無し。
リーバイスで言うとBIG E期以降のディテール。
雰囲気的には70年代中頃の66前期辺りの感じ。
バックポケットの赤タブは切られ、良く分からないようになっている。
赤タブはリーバイスの特許の件があり、やや曖昧にしているようだ。
ウォッチポケットのアタリもナチュラル。
ここだけ見たらユーズド加工と分からない。
トップボタン、フライボタンは社名とブランド名入り。
リベットは会社設立の1963年1月の刻印入り。
元のレングスでは少し長かったので、チェーンステッチで裾上げし
自分で紙やすりを使い、アタリ出し加工をした。
これをやるとやらないとではかなり違う。
アタリ出し加工をしてからは、あまり履いていないので
割とリアルな感じは出ていると思う。
チェーンステッチの特性やアタリ出し加工は↓
ここまで色落ちしていれば、淡いラフアウトのブーツと合わせても
インディゴの色移りを気にせず履ける。
最近はリーバイスの60~70年代ぐらいのこれぐらいの色のジーンズが
欲しくて物色しているが、如何せんオリジナルは高価なので
これで我慢と言うか、充分だと思い込むようにしている。