リーバイス501 通称「赤耳」復刻などではなくオリジナルの物。
製造期間は移行期間があるので多少前後するが
およそ1980年頃から85年頃までの物。
リーバイスのデニム生地を生産していたコーンミルズ社が
1983年に501用耳付きデニムの生産を停止。
永らく続いた生地の端の耳(セルビッチやセルビッジとも言う)を
ジーンズの外側に縫い合わせて作る製法がここで一旦終わる。
つまり最後の耳付き501(復刻は除く)となることから
後継モデルとの差別化の為、この年代は「赤耳」と呼ばれるようになった。
1980年代は近代化による低コスト志向の波に押し寄せられ
リーバイスの品質低下が顕著な時期とも言える。
なので501赤耳はビンテージ扱いをせずにオールドとする方もいる。
ジーンズマニアの間でも評価が分かれる物だが
30年以上経過した現在は、また値上がり傾向にあるとのこと。
薄っすらピンク色に残る赤い線が赤耳と呼ばれる由縁。
「REDLINE」とも呼ばれ、501RLと略す場合もある。
裾はオリジナルのチェーンステッチ。
耳をアピる為にロールアップしていたので跡がある。
耳付きデニムだと生地の表側は漢字の「田」の字の様にアタリが出る。
耳無しだと「王」の様になるので、裏返さなくても耳付きと分かる。
パッチには「CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT」の文字。
これは「衣服内の取り扱い説明書」と言う意味、内側を見てと言うこと。
この表示は1971年頃から80年代半ばまで。
バックポケットに付く赤タブの文字はプリントされた物。
これは赤耳期の80年代のみに見られる仕様。
細部まで低コスト化を図ったようだが、偽物に見られることも多く
しばらくして文字が織られた元のタブに戻る。
「CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT」その内側のラベル。
画像左側に洗い方などが表記されているが、注目なのは「10%」
これはデニムの縮率が10%程度あり、前身のモデルとの大きな違い。
その前身モデルは「8%」になっている。
画像右は品番などの表記があるが、下段に「2 2 524」
2=月 2=年 524=工場を表し、82年2月製となる。
黒いカンヌキと内股のシングルステッチも長く続いた仕様だが
80年代半ばで消滅、移行期は耳無しでこの二つの仕様である物もある。
あまり一般的ではないが、旧仕様と新仕様が混ざる移行期では
耳付きでカンヌキがオレンジ色になる物もあり「赤耳後期」と呼ぶとのこと。
反対に黒いカンヌキは「赤耳前期」と言うらしい。
トップボタンとフライボタン。
銅製の表側リベットとアルミ製の裏側。
トップボタン裏の刻印「524」この時期はほぼ524とのこと。
内側ラベルにも524の記載があり共通してる。
ちなみにエルパソ工場は524になる前は「6」だったらしい。
腰回りや腿のヒゲ。
元々色が落ちた状態から履き込んだので、くっきりとはしていない。
洗濯してもこの黄ばみは全然落ちない。
この汚れを見ると、汚れを気にせず道路とか床に
座り込むのが当たり前だったのを思い出す。
この時期はタテ落ち感があまりない。
デニムの染料に天然インディゴを使用しなくなったので
全体的に色落ちが進みマイルドな風合い。
生地目が右上から左下に降りているが分かる。
これを右綾と言い、その方向に捻じれて行ってしまうのが特徴。
この赤耳は初めて買ったビンテージデニム、確か2万ぐらいだった。
当時買った物はほとんど手放したけど、手元に残した内の一つ。
この頃は古着屋巡りが大好きで、買い物するのが一番楽しかった時期。
一点ものを求めて探し歩く、正に宝探しのようだった。