ジムマスターのカナダ製ラグランフルジップパーカー。
現代ではあまり使われなくなっている古い機械で丁寧に織られた生地を使い
定番モデルとして長く続いているパーカーで、品番は3020C税込み15180円。
ジムマスターはカナダで生まれた歴史あるファクトリーブランドで
現在の日本国内版ジムマスターはパタゴニアやチャムスのような
ポップな雰囲気のあるアウトドア志向のアイテムを多く展開している。
かつてはChampionやCAMBERのようなベーシックなスウェットなどを
中心に展開していて、このパーカーはその頃の雰囲気が感じられる物となっている。
自分がジムマスターを知ったのは二十数年前のこと。
patagoniaやChampionがハンバーガーチェーン店で言う、マクドナルドだとしたら
ジムマスターはドムドムバーガー的なポジションだろうか。
ファッション雑誌を読んでいる方、もしくは余程精通している方でないと
あまり知られてないイメージだけど、これはあくまで個人的な見解。
右はバーンズという日本のメーカーのフルジップパーカーだが
現代風のだいぶスリムな形をしていて、重ね着のインナー的に使いやすい物。
ジムマスターの方は着丈が短くもっとスタンダードな形をしていて
シルエットのタイトさ緩さ、生地の厚さ薄さなどのグラフで表すと
どれもド真ん中に位置するような、ドベーシックなスタイル。
どっちかあれば良いんじゃないかって思ってしまうかもしれないけど
似たようなパーカーでも着こなし方や用途が変わって来たりする。
肩回りに縫い目のないラグランスリーブ。
肩を動かしやすくする為に考えられたスポーツ的な仕様の作り。
お腹に付けられた手を入れやすいポケット。
洗う度に少しジッパーが波打つ感じが、古着っぽくて懐かしい。
最大の売りはトンプキン編み機で織られた、その名も「トンプキン裏毛」。
ふわっとしてとても柔らかく、まるで綿に包まれているような着心地の良さ。
安価なスウェット生地はすぐに硬くなったりチクチクしたりするけど
こういう定番的なアイテムほどクオリティーに違いを大きく感じる。
こちらは表側、ニットのような織り目が良く見える。
糸に余計なテンションを掛けずに柔らかく織りあげる昔ながらの製法で
1時間で1mほどしか生地を織ることが出来ないらしい。
トンプキン編み機は現在とても希少な機械で、世界に僅かしかないとのこと。
縫製も抜かりなく、生地を4本針フラットシーマーで縫い合わせることにより
生地が重ならず縫い目が平らになり、着用した時の肌触りも良くなる。
リブも同じくフラットシーマーで仕上げ、手首周りもスムーズな作り。
ゴムっぽいリブじゃなくボディと似たような作りの物。
シッパーは滑りの良い安定のYKK製。
フードに付く紐は雰囲気の良いしっかりとした物。
ジムマスターと言えば、お馴染みのフクロウのマーク。
物によってはメイプルマークだったりするが、このオレンジのタグはカナダ製の物。
「STANFIELD'S LIMITED」これがカナダにある工場であり社名で
かつては地元の警察官や消防隊員のアンダーウェアなどに使われていたようだ。
(株)グランドワンがジムマスター日本版の企画販売等を手掛ける会社。
裾に付くネームタグもカナダ製のオレンジ色。
こちらにも可愛いフクロウのマーク入り。
ジムマスターは沢山の映画やドラマなどのTV番組に衣装提供されていて
割とちょい役や若手が着ているのであまり話題になってないかもしれない。
3月で終わってしまったが「志村友達」でMC二人が日本版をほぼ毎週着ていたらしい。
フルジップパーカーをメインに、ここ数年ハマっている薄い色のデニムと
ダナーライトで大人っぽく爽やか風のコーディネート。
自分の住んでいる地域はパーカーみたいな軽い感じがちょうど良く
むしろ先月よりも少し寒いぐらいだけど、これぐらいが普通な気もする。
昼夜の寒暖差の激しい季節、この手の羽織物がまだまだ手放せない。