REDWING COLLECTION NO.40
RW-891 Irish Setterロゴ 90年代後半製
レッドウィング891は、本国アメリカで「カントリーウォーカー」と言う
シリーズの一つのモデルとしてリリースされ
1995年から2000年代初め頃までにラインナップされていた。
とても軽量で履き心地と歩きやすさを重視している。
これは見た目の通りで、クラークスのワラビーに激似のモデル。
かつてラインナップされていたモデルの再現でも無い様なので
レッドウィングに求めるイメージとかけ離れているところもあり
今では知る人ぞ知るような、マニアックなモデルの一つ。
891の日本国内で取り扱いが始まったのは1996年以降からで
手元にある資料では1998年当時の定価は税抜き24800円。
当時定番のモックトゥタイプが税抜き35800円だったことから
少し値段が高めの印象もあり、最終的には結構売れ残ったんだとか。
ベージュに灰色のくすんだ風合いを足したような落ち着いた色合い。
後に3色追加されたが、メインカラーはこの色。
トゥ回りからサイドのパーツに被せている為、「かぶせモカ」と呼ばれている。
縫い合わせ部分から水が入りにくい様に考えられたそうだ。
アウトソールはセメント方式で付けられている為
ソールの張り替えをする場合はマッケイ製法と言う
内部と外部を縫い合わせて固定する方法が必要のようだ。
レザーの銀面を削って細かく起毛させたヌバック素材。
表面は毛足が短く整えられ、シャリシャリとしたような手触り。
スエードもしくはラフアウトと似た風合いだが
ヌバックはレザーの表側を使い、スエードは裏側を使っている。
「Irish Setter」のロゴ入りの物は1999年途中の物までで
それ以降からは「Red Wings」に変更される。
これはレッドウィング社とアイリッシュセッターブランドの関係性があり
ブランドとしての独立した時期は「IrishSetter」や犬ロゴ、犬タグが使われ
レッドウィング社のラインナップとして戻るようになってからは
「Red Wings」や羽ロゴ、羽タグが使われるようになる。
これは他のモデルで言う、「四角犬タグ」が採用された期間と共通。
インソールにはアイリッシュセッターの犬のロゴ入り
ブランディングの変更後はここも羽のロゴに変わる。
アイリッシュセッターロゴとビブラム社のネーム入り。
犬ロゴから羽ロゴに変わった後はアウトソールも羽ロゴに変更される。
内側にはサイズや品番の刻印が入っているが
伝統的なモデルでは無いので、製造年月や工場を特定する物は見当たらず
「JR」とあるが、↓の法則を当てはめることは出来なかった。
今回の891は犬ロゴ最終辺りの1998年から99年の間頃と思われ
同時期に生産された物は「JR」と記載されているようだ。
ワラビーは夏場のショートパンツとも相性が良い。
メンテナンスはスエードと同じような方法で行っていて
単純な汚れは汚れ落とし用の消しゴムで簡単に綺麗に出来る。
栄養補給には防水効果のあるスエードスプレーを使い
表面は馬毛ブラシで細かい毛並みを整えている。