REDWING COLUMN NO.77 レッドウィング866 犬刻印 ペコス メンテナンス編
今回は秋冬に向けて866ペコスブーツのメンテナンスを行った。
バイク乗りの方ならペコスは割と早めに出番が来るアイテムだが
自分の場合は随分と先になるので、秋冬に向けてと言ってもかなり気が早く
いつでも履けるように状態のチェックも兼ねてのメンテというところ。
これはおそらく2年振りぐらいのオイルアップになったかもしれない。
このオレンジ掛かった茶色のレザーはオロイジナルという名称で呼ばれ
90年代の赤くなったオロラセットの色味を見直し、原点回帰を目指した物。
年代にもよるが、犬刻印期のオロイジナルはオイルがたっぷりと含まれていて
手触りはとてもぬめっとしていて、部分部分で異なった表情をしている。
オロイジナルレザーは現行のオロレガシーに引き継がれているが
90年代のオロイジナルは画像右のアンバーハーネスの質感に似ている。
このオロイジナルはオイルドレザー、またはプルアップレザーと定義される物で
分かりづらいかもしれないけど、画像中央部分のレザーの色が薄くなっている。
中から指で押していて、その部分のオイルが移動するので色が変わるということ。
履きシワの凸部分のオイルが移動して色が薄くなっているのが分かる。
手触りはしっとりしているので、特に乾いているというわけでもないけど
例え履くことはなくても数年に一度は軽くオイルを入れておきたい。
以前のオイルアップの時にインソールもメンテナンスしたので
今回はかなり良好な状態なので特に手を付けなかった。
普段から専用の物ではなくて、新聞紙を詰めておくだけでもかなりのカビ予防になる。
先ずは基本の埃落としのブラッシングからメンテナンス開始。
現在はこのレッドウィングの馬毛ブラシを集中的に使って育てているが
あまり成長は感じられず、頻繁に使っていたブラシにはまだまだ及ばない
今回使うのはレクソルのレザーコンディショナーというオイル。
さらっとした液状のオイルで、色の薄いレザーなどとの相性が良く
革ジャンやソファーなどの面積が大きい物にも使いやすい。
※現在はパッケージデザインが変更になっている。
この持ち手付きのブラシでコンディショナーを全体に塗って行くが
意外と細かい粒が床に広がるので、何か敷くか拭く物を用意しておくと良い。
履き口の部分はもちろんのことだが、プルストラップに隠れている部分も
なるべくしっかりとオイルアップをしておきたい。
左がオイルアップした状態で、色味はこのように濃くなるが
ペースト状のオイルよりも塗りムラが少ないので使い勝手が良い。
反対側も同様にオイルアップし、ブラシに残ったオイルが勿体ないので
同じくオロイジナル犬刻印の875にも軽く塗っておいた。
この後は濡れた状態が落ち着くまで様子を見ながら乾燥させ
ブラッシングをして表面を整えてメンテナンスは終了。
そしてこちらはオイルアップから数日後の様子で、表面はこのレザー特有の
ぬめっとした感じが更に強まって、古き良きアイリッシュセッターという仕上がり。
個人的にオロイジナルの場合は光沢感があまり出ないようにしたいと思っていて
このマットな質感にする為にレクソルコンディショナーを選んでいる。
左がメンテナンス前で右がメンテナンス後の状態。
オイルアップで色が二段階ぐらい深まったというところだろうか。
しばらくしてオイルが抜けて色がまた左のように薄まって行くのも
それはそれで良くて、次回履く時にはどうなっているのかも見もの。
こうやって見ると70年代ぐらいのヴィンテージみたいに見えるが
メンテナンス自体は少し前に行ったので、現在はここまで色は濃くない。
ここ何日か八月にしては涼しくて秋というか、梅雨のような肌寒い日があったので
更に秋が待ち遠しくなってしまったけど、ペコスが履けるのはまだまだ先のこと。
その日をイメージしながら手持ちブーツを着々とメンテナンスをするのが
ブーツ愛好家としての、この時期の楽しみ方の一つにもなっている。