赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

スエードジャケットの丸洗い

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スエードジャケットの丸洗いをしてみた。

本来レザーは水で洗ってはいけないとされている。

ただし、○○なら洗わない方が良い、○○なら洗った方が良いと

置かれた状況やその物の状態などを○○の部分に入れて考えると

自ずとどちらが良いか見えてくるかもしれない。

 

洗わない方が良いと言う場合は、高級だから、ヴィンテージ物だからなど

作業自体が面倒だったり、変色や型崩れなどの仕上がりの不安。

洗ってしまえば大きく表情が変わる為、丸洗い否定派も多い。

逆に洗った方が良い場合は、激しく濡らしてしまったり、汚してしまったなど。

特に中古品や古い物だと、タバコの臭いやカビが生えていたりすることもある。

長期保管で変なシワが入ってしまっていたりする場合も多く

それらをリセットすると言う意味合いも大きい。

いずれにせよ、専門店やクリーニング店に依頼するにしても

望むような状態になる保証は無いので、自己責任と言う問題が付いてくる。


スエードジャケットの丸洗い目次

丸洗い前の状態

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今回丸洗いする前のリーバイス風のスエードジャケット。

これは国内メーカー製で、98年製のなかなか年季の入った物。

引きで撮った画像だと大して汚れてないようにも見えてしまうのだが

レザー特有の薬品や粘土っぽい臭いの他にも

表面は年代物相応の色々な臭いがあり、良い香りの要素は無い。

 

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汚れが気になる部分のアップの画像。

このタイプのジャケットは手を入れるポケットが無いので

袖周りの黒ずみはジーンズのインディゴと皮脂汚れでかなり手強い物。

 

メンテナンスグッズ

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今回丸洗い用に用意したメンテナンスグッズ。

洗浄用にレクソルのレザークリーナー、モゥブレイのスエードシャンプー。

栄養補給用のモゥブレイのデリケートクリームにスエードカラーフレッシュ。

埃落としと仕上げ用の真鍮ブラシ、洗浄用の馬毛ブラシ。

画像には無いが、部分洗い用にナイロンブラシも用意した。

 

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先ずはブラシでスエードの毛に溜まった埃などをしっかり落とす。

毛が寝てしまっている部分は入念に行うが、ステッチ部分は慎重に。

今回行うのは↓のブーツの丸洗い編とおおまかな工程はほとんど一緒。

 

どぶ漬け

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毎回丸洗いは濡らしてしまったら、引き戻せないと言う緊張感がある。

水もしくはぬるま湯でしっかりと浸してどぶ漬けする。

 

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浮いてくるのでペットボトルを浮かべて完全に浸るようにする。

そのまま放置するが、自分の場合は一晩漬けておいている。

時間を掛けて漬ける理由は、汚れが落ちやすくなるのと

乾いた時のムラが少なくなることなどがある。

 

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寝る前に様子を見て、水を入れ替えておいたが

一晩経つと汚れやら何やらの色がまあまあ出て来ている。

水には汚れ成分の臭いもかなり感じられる。

 

洗浄

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レクソルクリーナーとモゥブレイのスエードシャンプーで

馬毛ブラシに直接付けて洗って行く。

本来は水に溶いて使うが、自分は濃いめでガッツリ行く。

レクソルクリーナーはスエードに使うと、毛束が出来てしまうとかで

スエードの使用は推奨されていないらしいが、特にその感じは無い。

 

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モゥブレイのスエードシャンプーは臭いも少ないが

泡立ちも控えめで、洗浄力も少し物足りないと言うのが正直な感想。

あくまで新しい汚れをソフトに洗う用と言う感じ。

レクソルクリーナーの方が良く落ちるのでこっち一つで充分。

 

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内側もクリーナーでしっかり洗う。

生地が重なる部分や汗をかく場所などは入念に。

 

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汚れが気になる袖周りなどはナイロンブラシでガシガシ洗った。

毛が固めなので起毛していない部分には使っていない。

 

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泡がいくらでも出て来るが、落ち着くまで何度も濯ぐ。

革に優しいスエードシャンプーやレクソルクリーナーは

多少の濯ぎ残しは問題ないのである程度でOK。

もし普通の洗濯洗剤を使った場合は徹底的に行う必要がある。

 

乾燥

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バスタオル2枚使ってしっかりとタオルドライ。

洗濯機で脱水をする手もあるが、シワになるので自分は避けた。

脱水をする場合は短い時間で切り上げるのが無難。

 

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一応水が滴るようなことが無いぐらいまで拭いたが

タオルドライだけでは水分がかなり残っていて重い。

ハンガーに掛けると重みで肩が伸びるので、ラックにざっくりと掛けて干す。

直射日光の当たらない風通しの良い場所でしばらく陰干し。

 

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夜は外に干しておいたが、一晩でそこそこ乾いた。

干し方を一定にせず、少し向きを変えて型崩れを極力抑える。

 

オイルアップと仕上げ

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陰干しをして大体乾いた頃を見計らって

内側にモゥブレイのデリケートクリームを入れていく。

レザーが完全に乾く前に入れるのが推奨されている。

季節にもよるが、陰干し二日目の8.9割ぐらい乾いたところで投入した。

 

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水分の重みがほとんど無くなったのでハンガーに掛けて

デリケートクリームを馴染ませるようにレザーに揉み込んだ。

全体がパリッとしていたが、かなりもっちりとした。

 

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デリケートクリームを入れた後しばらく放置してしまったが

仕上げのスエードの栄養補給や防水効果のある

同じくモゥブレイのスエードカラーフレッシュをスプレーして行く。

説明書きによると、缶を振らずに50㎝以上離して三回スプレー。

閉め切った室内だと臭いがきついのでベランダで行った。

 

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スプレーが乾くまでしばらく放置、塗布後のオイルっぽい臭いは消えている。

仕上げにまた真鍮ブラシでしっかりとブラッシング。

結構毛が抜けるので、このままベランダで行った。

 

ビフォーアフター

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左が丸洗い前で右が丸洗い後。

残念ながら引いた画像では良く分からないが

一番大きいのは臭いの部分で、かなり爽やかになっている。

電車の中で着ても迷惑にならないレベルに落ち着いた。

全体が柔らかくしなやかになり、心なしか洗う前よりも軽くなった気もする。

 

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袖周りのアップの画像、同じく左が丸洗い前で右が丸洗い後。

さすがに20年物の頑固な汚れは完全には落ちなかったが

黒ずみはだいぶ控えめになった。

 

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襟とポケットの汚れの部分もだいぶ綺麗になった。

ここもナイロンブラシで洗った部分。

細かい部分はスエード用のゴムで擦ることもアリ。

 

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最終の仕上げと言うことで、袖を通して着心地を確かめるように

腕のシワの重なり加減を調整し、曲げ伸ばしをして馴染ませて完了。

今回は汚れが頑固過ぎたので、仕上がりとしてはまあまあな感じ。

自分はブーツ用にグッズを揃えていたので、新たに用意したのはスプレーぐらい。

レザージャケットやブーツの丸洗いは大掛かりな作業ではあるが

気温もそこそこで、湿度が低い時期は丸洗いするのに良い環境なので

休日の一つのネタとして挑戦してみるのもアリかなと思う。