リーバイス 70505 ビッグE 70'S
Gジャンと言えば、70505と言われるぐらいのド定番なモデル。
70505は4thとも呼ばれ、通称3rdモデルと言われる557XXから557に変わり
1966年頃に品番の整理の為、557から70505へと引き継がれた。
70505のビッグEは初期の移行期モデルを除くと、約7年間のモデルだが
リーバイスのカジュアル化によって消費者の需要が高まり
生産体制も強化され、流通量がとても多くなっている。
所謂トラッカージャケットと呼ばれるモデル。
リーバイスのGジャンは1960年代に大きく見直され
作業着から普段着のファッションアイテムへと移り変わって行く。
これはちょうど着丈が長く、身幅が狭くなって行った頃の物。
おそらく㊧のマカオ製がサイズ36で㊨のビッグEがサイズ34。
肩幅、身幅、袖丈はマカオ製の方がワンサイズ分大きいが
着丈だけはビッグEの方が長くなっている。
マカオ製はもしかしたら70505じゃないのかもしれないが
80年代ぐらいの物の方が、あまり資料がなかったりする。
購入したのは1998年頃、ちょうど古着ブームの真っ最中。
70505ビッグEは値段が割と安く、サイズや色も選び放題だった。
当時は小さめサイズでタイトに着るのが流行っていたが
現在は大きめでゆったり着るのが主流になりつつあるそうだ。
価格は若干高騰しているようだが、それでもまだ買いやすいアイテム。
襟はダメージがあるが、ここを破れずに着込むのは難しい。
パッチは無くなっているが、黄色く囲ったところに
横長の小さいパッチが付いていた跡がある。
横長小パッチのタイプは1966年頃に、大きいパッチから仕様変更された。
後述のディテールを見ても、1970年前後の物と思われる。
フラップに付くタブは「LEVI'S」の「E」が大文字の通称ビッグE。
その中でも、Vの左が太く右が細い不均等Vと呼ばれる物。
リーバイス公式ではビッグE不均等Vタブの使用は
1967年頃から71年までとされているが、実際は73年まで使われたそうだ。
※使用開始はもう少し早かったようで、不均等Vの前の仕様の
均等Vタブも多少長く、60年代半ばから終わり頃までは混在していたようだ。
銅褐色のボタンは防縮加工デニムの証でもある物。
ボタン裏の刻印は「524」になっている。
Gジャンのボタン裏3ケタ刻印は1967年頃から始まったそうで
501などよりも10年近く早く採用されている。
「524」は「6」「E」刻印と同じとされ、エルパソ工場で生産された物。
カンヌキとポケットの淵のステッチは黒く、1本で縫われている。
70505の初期の1967年頃の物はオレンジで2本になっている。
ポケットに付けられたボタンの裏は、マカオ製に続いて
また本体と違う刻印の「522」が付いている。
これを見る限り、この時期は「522」から「524」に移行したと推測。
余った「522」ボタンを見えにくいポケット裏に使ったと思われる。
ただし「522」のGジャンは、後のスモールeの時期にも見られ
「522」と「524」はエルパソ工場のライン違いか
別工場の生産を一時的に引き継いだのかもしれない。
ヴィンテージならではの迫力のある表情。
ポケットのシミは元々あった物。
V字の切り替えと裾のアタリ。
この切替のデザインはLee101-Jを元にしたと言われているが
後発のリーバイスの方が一般的になっている。
アームホール付近はパッカリングが大渋滞している。
襟裏は真紺、こちら側の方が小パッチの跡が分かりやすい。
裾のアタリとサイドのアジャスター。
色落ちしやすい袖のアタリ。
腕には若干だがハチの巣が見られる。
腕周りは結構太いのでアタリは控えめ。
生地ムラやステッチの消失具合は古着ならではの味わい。
生地は縦すじが多く見られ、これぞタテ落ちと言う感じ。
肌触りはあまりザラついた感じはないが
この時代のデニムはポテンシャルがやはり違う。
この風合いは1970年代後半ぐらいまでに見られる物。
当時一緒に着ていたマッコイのスウェットとレッドウィング8166。
チノパンや茶色のワークパンツで合わせると、90年代テイスト全開になる。
たぶんブーツの色合いがそう言うように思わせる気がする。
今はGジャンを着るなら、もうちょっとスマートに着たいところだが
この潔い感じが良いかもしれない。