赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.120 レッドウィングの革の厚みを測る

REDWING COLUMN NO.120 レッドウィングの革の厚みを測る

10月12日はレッドウィングの日ということで、恒例のマニア向けレッドウィングネタ記事。

90年代のレッドウィングのレザーは分厚いだとか、このパーツは薄い物が使われているみたいに

あくまで抽象的に捉えていた部分などを、実際に計測して今回は確かめてみようというもの。

※レッドウィング社の創業者である、チャールズ・ベックマンの命日は10月21日なので悪しからず。

ほんの少しずれたり匙加減で多少の誤差はあるものの、94年製の2268の主要パーツはおよそ3㎜で

履き口の三角パネルは薄めの1.9㎜、ロガーやペコスのプルストラップは2.7~2.8㎜ほどだった。

但しこういう特徴的な部分だけでは、所有しているブーツでの比較が難しいということで他を探る。

芯の色や厚みをざっくりと把握出来る為、アッパーとベロの接合部分は個人的に真っ先に見る部分で

このタイプの製法なら共通しているモデルが多く、それぞれを測ることで比較になりそうだと思った。

それと新たな発見だったのが、ベロの測る場所で厚みが違うということで、長年不思議に感じていた

裏にこういう色の境目が何故あるのかを理解出来たことは、ちょっとした感動だったかもしれない。

ブラッククロームレザーの比較が分かりやすいということで、レッドウィングコレクションの中から

一番古い93年製699ロガー、新しい2002年製8133スーパーソールなどの計6足を用意してみた。

ちなみにプレーントゥ8165はアッパーとベロの接合部分が違う為、今回の検証からは除外している。

 

先ずは他よりも重厚な雰囲気を醸し出している、ソフトトゥバージョンのロガーブーツ699。

アッパーとベロの接合部分は5.2㎜、ベロの接合部分付近は2.8㎜、ベロの中央付近は薄く2.2㎜。

このようにベロの端の方と先端や中央部分とでは、厚みが違うというのは今まで気付かなかった。

続いては通称「黒セッター」の8179三兄弟の中で一番古い、96年7月製の個体を測ってみる。

アッパーの接合部分は5.0㎜、ベロの接合部分付近は2.8㎜、ベロの中央は2.0㎜と699同様に薄く

履いた時に足首に直接当たるベロの部分は、この年代だと2㎜前後で規格されていることが分かった。

測るついでにブラッシングをしておこうということで、ここにぴったりなウェルトブラシを使う。

普通の馬毛ブラシよりも溝にしっかり入り込む為、こういう細かい部分には本当に使いやすい。

履かなくても自然と埃が溜まって行くので、たまには紐を外してブラッシングしておきたい。

先程の8179の一ヶ月後の96年8月に生産された、三兄弟の真ん中に当たる個体を測ってみた。

アッパーとベロの接合部分は4.6㎜、ベロの接合部分付近は2.5㎜、ベロの中央は1.6㎜となっていて

個体差の範囲内とも言えるけれどもⅡより全体的に薄めで、その分だけ片足の重量も25gほど軽い。

97年製の個体はアッパーと別素材の柔らかいベロが使われ、90年代以降で一番多いと思われる仕様。

アッパーとベロの接合部分は4.3㎜、ベロの接合部分付近は1.7㎜、ベロの中央は1.6㎜となっていて

最初の699や8179の96年製とは違って、このタイプのベロはほぼフラットであることが分かる。

90年代の中で段階的に厚みが変わると思われ、97年前後のデフォルトはこれぐらいになりそう。

断面を見ても左の97年製はベロが薄く、右の96年製はアッパーと同素材で左右が統一されている。

画像左のベロに合う規格のパーツを予め用意して使うパターンと、もしくはベロの規格に合うように

足首から甲の触れる部分を薄く削って対応するということが、今回ベロの厚みを測ったことで判明。

左に比べて右の厚いタイプだと、紐を通して結んだ時にごわっと大振りになるなというぐらいの印象で

削ってフィットさせる為の工程があったとは、レッドウィング歴30年近くなのに考えてもみなかった。

 

つまりベロの裏側の不思議な境目は、削られていない地の色の部分と、ベロの規格まで厚みを減らす為

削られて芯の色が露出して出来た跡だったというのが、厚みを測ったことで分かったもう一つのこと。

冒頭の方の二枚目画像右上のエンジニアブーツの三角ぺネル裏を見て貰うと分かると思うけど

シャフト裏よりも明らかに茶色いのは、芯の色になるぐらいまで薄くする必要があったということ。

旧8165などのフック仕様は8179などと作りが少し違う為、黒と茶色の境目はもっと下の方に確認出来て

以前書いた茶ベロの記事なんかは、このことが分かっていたら内容もだいぶ変わっていたと思う。

ラフアウトレザーの8173も2タイプのベロがあり、97年頃からはほとんどが薄くなったと思われる。

左の個体のアッパーとベロの接合部分は4.4㎜、ベロの接合部分付近は1.9㎜、ベロの中央は1.8㎜で

右の個体はアッパーとベロの接合部分は4.9㎜、ベロの接合部分付近は2.8㎜、ベロの中央は1.9㎜。

ベロが分厚いとやはり削って薄くするというのは、違うレザーの場合でも共通している作り方。

オロラセットも2タイプが確認出来て、茶芯と一緒で仕様を明確に切り替えずに混在する様子。

左がアッパーとベロの接合部分は4.5㎜、ベロの接合部分付近は1.9㎜、ベロの中央は1.9㎜で

右はアッパーとベロの接合部分は5.2㎜、ベロの接合部分付近は2.8㎜、ベロの中央は2.0㎜。

オロラセットも分厚いと同様に削る必要がある為、裏側には赤茶色と芯の色の境目が見られる。

ブラッククロームの計測に戻り、次はフラットタイプのベロ仕様の99年製ビブラムラグソール8176。

アッパーとベロの接合部分は4.4㎜、ベロの接合部分付近は1.7㎜、ベロの中央は1.6㎜ほど。

1999年製だとレッドウィング社のブランディングによって、四角犬タグから羽タグに戻る時期で

この辺りに入ると厚み以上に質感の変化も大きく、古き良き時代とは言えなくなっているのかも。

ラストはレッドウィング社が高い生産性と同時に、軽量化を目指した2002年製8133スーパーソール。

アッパーとベロの接合部分は3.9㎜、ベロの接合部分付近は1.6㎜、ベロの中央付近は1.5㎜で

若干接合部付近が厚いような気もするけど、ほぼフラット仕様で芯の色が露出しているタイプ。

8133は元々軽量モデルではあるものの、この年代はレザーの質的にも相当軽くなっている様子。

ちなみに自分が所有する中で、一番新しい個体のアイアンレンジャー8111のスペックがこれに近く

アッパーとベロの接合部分4.0㎜、ベロ接合付近2.0㎜、ベロ中央2.0㎜ほどというところだった。

もちろん個体差やモデルによって設定の幅はあるとは思うんだけど、1993年~2002年の10年ほどの間に

ワークブーツとして堅牢さが求められていた時代の名残りから、ファッションアイテム向けとしての

履き心地や快適性に応えるべく変化して行った過程が、びっしりと詰まっているように感じる。

リアルな数字を出してみて再確認したことで改めて自分が思うのは、所有欲を満たすという意味では

96年前後のぶ厚かった頃までであり、日常的に着用するならそれ以降の厚さの方かなということ。

今回は嬉しい発見があったことに加えて、厚みを測るという作業自体が思いの外楽しかったので

何か別のカテゴリーで括ってみたりとか、取り上げなかった他のモデルも比較してみようと思う。