REDWING COLUMN NO.78 レッドウィング 8165と8160の関係性
画像奥のレッドウィング8165は、この黒いブラッククロームレザーを採用し
1995年にリリースされ現在も定番として続いているモデル。
それに対して茶色のガラスレザーの8160は、1998年から2005年頃まで販売されたが
環境問題等で製造が禁止され、現在は廃番モデルとなっている。
この二つは単純に同型のモデルで似ているというだけでなく
少し複雑な繋がり方をしているので振り返ってみることにした。
8165や8160などのプレーントゥ、またはラウンドトゥのタイプのブーツは
かつて存在していた766というモデルがベースになっている。
その766は年代によって使われていたレザーに変更があったみたいだが
80年代頃の物は右の茶色のガラスレザーの8160と見た目はほぼ同じで
ソールはポストマン等に見られる溝の無いクッションクレープソールの白版を使い
8165や8160は波形の溝がある、定番のトラクショントレッドソールとなっている。
旧時代にワークブーツとして分類されていたモデルである場合は
フックが付いているモデルが多く、ハトメ仕様よりもかなり着脱がしやすい。
ベースとなっている766も、もちろん上段三つはフック仕様となっていて
8165や8160はそのスタイルが継承されているというのが分かる。
ちなみに766の70年代頃の復刻的なモデルが↓の8163。
そして8165と8160の関係が複雑なのは、元々8165という品番は8160のような
茶色のガラスレザーを使用していたが、レザーの製造に規制が入ってしまい
やむを得ず、茶色版の8165は製造中止(1回目)となってしまう。
後にその空いた8165の品番を使って、8165ブラッククロームレザー版として
セレクトショップのビームス別注で生まれ変わり、すぐに国内正規品番に採用された。
さらに以前の茶色版の8165の復刻として8160が販売されることになったが
この茶色のガラスレザーはまた規制が掛かり製造中止(2回目)になってしまった。
ちなみにレザーの質感を変えて、8160の後継モデルが発売されたがそちらも製造終了。
つまり、この画像の通りで766→旧8165→8160がある意味正当な流れになっていて
茶色の旧8165→黒の現8165はスタイルを引き継いではいるが
大きい仕様変更があったにも関わらず、空き番の8165の品番を使ったことで
変遷のし方がかなり複雑化してしまったということになる。
(766と旧8165は所有していないが、見た目が近いので8160の画像を使っている)
現在では管理上そのまま品番を引き継ぐのは、あまり考えられないことだけど
レザーの変更=別モデルとして品番を新たな物にしていれば
こんなにややこしいことにはならなかったんだろうなと思ったりする。
現在レッドウィングジャパンの公式ウェブサイトでは
今回のように製造中止された旧モデルのアーカイブは削除されてしまっていて
ベースとなった直近のモデルについてや、変遷が分からなくなっている。
過去の情報を調べるには当時の雑誌や、ファンの方のSNSなどがメインになっていて
当ブログはその部分を担えたらという思いも込めて書いてはいるけど
一番はいつでも自分が振り返られるように、残しておきたいという意味合いが大きい。
また何年かの後に、この流れを汲むようなモデルが販売される頃には
きっと、自分でもどうだったか確認したくなるだろうと思う。