今回はレザーベルトのメンテナンスをしてみた。
革靴や革ジャン、カバンなどの大きめの部類の革製品は
表情や質感の変化には比較的敏感になる方が多いと思うけど
ベルトは割と付けっぱなしのままの放置気味になりがちな存在。
普段小まめに使ってるなら手の脂が程良い栄養分になったりするが
しばらく仕舞ったままの状態だったので、バックル含めてリフレッシュさせた。
これは元々ヴィンテージ風の加工がされていた物。
真鍮のバックルは変色による、くすみが出ていて若干の緑青も見受けられる。
もう少し綺麗だったが、最初から金ぴかな真新しい感じの物ではなかった。
最近は使う機会がなかったので、レザーは乾いてはいないが色がぼやっとしている。
裏面はインディゴが移って青くなっているが、濃紺デニム専用なのでそのままで。
長いこと使ったような雰囲気のあるヴィンテージ風レザーを
使い込んだことで更に表情は出たかなと言うところ。
この程良いテカリ感は残しつつしっかり潤わせたい。
真鍮製の物は空気中の水分や酸化により、黒ずんでしまったり
青緑色の緑青(ろくしょう)と言う錆が発生してしまう。
何年か前に拭いた時に綺麗にしたが、また発生していた。
先ずはバックルのメンテナンスから開始した。
ヴィンテージっぽい雰囲気は残しつつ、綺麗にしたいので
金属用の磨き剤ではなく、粒っぽいタイプの歯磨き粉と使い古しの歯ブラシ。
シルバーアクセサリーなどもこれで結構綺麗にすることが出来る。
歯磨き粉をたっぷり付けてバックルを磨いて行く。
部屋の中ではそこら中に飛び散ってしまうので洗面台へ移動。
力を入れてゴシゴシ磨くとかなり真っ黒になる。
内心ピカピカになってしまったらどうしようと不安になりつつ
やり過ぎない程度に両面で10分ぐらい掛けて磨いた。
汚れを水で流し、錆の原因になるので入念に拭いて水気を取り除いた。
ベルトのレザー部分はこれ一本で、汚れ落としと栄養補給に艶出しも出来る
お気に入りのモゥブレイのクリームエッセンシャルを使った。
匂いも石鹸っぽい香りなので身に付ける物にも最適。
もう意味があるか無いかは別として儀式的にブラシで
レザーの表面の埃落としをして行く。
埃落としと仕上げは現在育て中のレッドウィングの馬毛ブラシ。
布にクリームエッセンシャルを取って、やや多めに塗り込んで行く。
穴がある剣先側は手で触る機会が多く油分がそれなりにあるので
バックル側や背中の部分になる箇所は結構ガッツリとクリームを塗り込んだ。
仕上げに馬毛ブラシでしっかりと磨いて行く。
床に置いてゴシゴシとやったら床までピカピカになってしまった。
上がメンテナンス前で、下がメンテナンス後。
やや明るくなっていたレザーの色が濃く引き締まった。
ボタン周りの緑青は軽く拭いて取り除き磨いておいた。
オイルだとマットになってメンテした感が強くなってしまうけど
乳化性のクリームで程良い光沢を与えると使い込んだ雰囲気が残るので
このように劇的に表情が変わらないのが嬉しい。
バックル跡を消すとなると水に長時間漬ける必要があるが
多少薄くなっても完全に消えることはないと思う。
同じく上がメンテナンス前で、下がメンテナンス後。
剣先側もそれなりに油分がなくなっていたなと感じる結果になった。
バックルは左がメンテナンス前で、右がメンテナンス後。
黒ずみや緑青は取り除きつつ、ヴィンテージ感は良い感じに残った。
元は変色で黄ばみもあったんだなと再確認。
同じく左がメンテナンス前で、右がメンテナンス後。
表面の細かい溝に出来た緑青は完全に無くなっている。
裏側はそんなに時間を掛けなかったが、緑青予備軍みたいな感じの汚れは
ある程度取り除いておいて終了とした。
そしてバックルをベルト本体に取り付けてメンテナンス完了。
掛かった時間は大体20分ぐらい。
このベルトは購入初期は他のパンツにも使っていたけど
途中からはエターナル883専用として付けていた。
ジーンズのフィット感とベルト穴の具合で体型の変化も良く分かるし
そのままにしておけるので身支度時間の短縮にもなる。
レザーベルト本体、バックル部分共にメンテナンス後の仕上がりは
すごくイメージに近い感じになって満足の行く物だった。
万能なクリームエッセンシャルと歯磨き粉と言うチョイスも良かったと思う。
大して時間も掛からないので、靴磨きのついでにやってしまうのがおススメ。