これは1873年5月20日にリーバイス社がデニム生地の作業用パンツに
リベットを使って補強した物を特許申請し、認可されたことから来ている。
丈夫な生地を使っても、ポケットの開口部分が破れてしまうことが多く
この問題を解決すべく取られた手法がリベット使いだった。
当時は画期的で発明と称されるほどだったそうだ。
現在では縫製技術やミシンは高性能な物になっていて
リベットの補強機能としての必要性は薄れているが
ジーンズを作る上では、デザイン性や伝統を重んじている部分も大きい。
左がジーンズを考案したヤコブ・デイビス(ジェイコブ・ディヴィス)。
仕立屋のヤコブは作業着の強度を高める為にリベット使いをする。
これは元々馬具に使っていた素材を組み合わせて出来た物らしい。
そこでジーンズの本格的な制作と特許を取る為に相談を持ち掛けた先が
取引先でもあったリーバイス社だったそうだ。
右がリーバイス社を設立した、リーバイ・ストラウス(リーヴァイ)。
ヤコブとリーバイス社はジーンズの権利を共同保有することになるが
これは特許に掛かる費用を持ってもらう為に考えた
ヤコブからの提案だったそうで、それにリーバイス社が応えた形になる。
その後、ヤコブはリーバイス社の初代工場長として働くことになったとのこと。
現在はリーバイスの名前がとても有名になっている背景はここにある。
1890年にリベット使いの特許が切れると同時に
たくさんのメーカーから廉価な類似品が作られ出回ったそうだ。
そして同年、他社に対抗すべくリーバイス社が生み出したのが
高品質なXX(ダブルエックス)デニムを使用した「501XX」になる。
旧時代はリベテッド・オーバーオールやウエスト・オーバーオールなどと
呼ばれていて、ジーンズと呼ばれるようになるのは1950年代後半以降
もしくは1960年代になってからとのこと。
リベットは年代によっては股部分やバックポケットの補強
ベルト代わりのバックストラップなどにも付けられていたが
ジーンズが作業着から普段着へと変化を遂げたこともあり
各パーツの仕様が見直され、現在の形になって行く。
ジーンズはファッションの中心アイテムの一つと言っても過言はないが
労働者の作業着として生まれてから150年近く経った現在も
ほとんどその姿を変えずに引き継がれている。
そして何十年も前の昔の物ですら、今でも難なく着こなせるアイテムは
ジーンズ以外ではあまり無いと思う。
それぐらい完成度が高い物を当たり前のように
手にしていたってことを考えると、とても感慨深いものがある。