REDWING COLUMN NO.45
レッドウィング101 ポストマン・オックスフォードのメンテナンス。
郵便局員や警察官などに使用された、所謂サービスシューズと呼ばれる物。
レザーは現在の名称で言う「ブラック・シャパラル」を使用し
オイルがほとんど浸透しないガラスレザーとなっている。
各々で好みのメンテナンスのスタイルはあると思うが
一般的に推奨されているのは、ビジネスシューズなどと同じような方法で
ガラスレザーに適したメンテナンスを行うことになる。
ブラック・シャパラルは2013年頃から艶を抑えた物に変更済。
ガラスレザーについては↓
REDWING メンテナンス ポストマン編目次
メンテナンス前
一見綺麗に見えるが、30年近く経っている物なので
ところどころ小傷もあり、トゥには少し目立つ傷がある。
先程も書いたが、オイルがほとんど浸透しないレザーとなっている為
乳化性のクリームで補色しようと思っても色が上手く乗らない。
同じ個所の別角度から撮った画像。
ポストマンもワークブーツのように履く方も多く
傷を気にしない方もいると思うが、光沢感のあるレザーなだけに
なるべく綺麗な状態を保てればと、個人的には思っている。
メンテナンスの作業は少し省略しているところもあるが
↓のガラスレザー編とほとんど同じことを行っている。
メンテナンスアイテム
メンテナンスに用意したのは、無印良品のシューキーパー。
埃落としの馬毛ブラシ、仕上げ用の化繊ブラシ。
仕上げ用のクロス、汚れ落としやクリーム塗布用の布。
サフィールのレノベイティングカラークリーム。
モゥブレイのステインリムーバーにクリームエッセンシャル。
ガラスレザーにもしっかりと色が乗る顔料系のクリームの
サフィールのレノベイティングカラー補修クリーム。
近い色がなければ、薄めたり他の色と混ぜたりして対応するようだが
今回は単純な黒と言うことで、No.01のブラックを用意した。
ステインリムーバーで落とせるので、ある程度の塗り直しも可能。
汚れ落とし
紐を外しシューキューパーを入れ、馬毛ブラシで埃落とし。
履き皺の部分などは入念に行い、普段出来ない羽根の内側なども同様に。
汚れ落としのステインリムーバーを布に取って使う。
以前にガッツリとメンテナンスをしてからは
ほとんど履いていないので、汚れ落としと言うよりも
前回に塗った古いクリームを落とすと言う意味合いになる。
同じく履き皺にはクリームが残りがちなのでしっかりと行う。
補色~仕上げ
レノベイティングカラークリーム少量を布に取って傷に塗って行く。
べっとりと塗るのではなく、薄く伸ばしながら塗るのが良い感じ。
塗り過ぎた部分をステインリムーバーで拭き取りつつ三回重ね塗りした。
完全に乾くまで10分放置し、布で乾拭きし次の作業へ。
ガラスレザーと相性の良い、モゥブレイクリームエッセンシャルを塗る。
布に取って薄く伸ばしながら、全体に塗り込んで行く。
仕上げに化繊ブラシでクリームを馴染ませ、さらにクロスで拭き上げる。
左はクリームを塗った後にブラシとクロスで仕上げた。
右はクリームのランダムな膜がまだ残っているので光沢感が鈍い。
天井の映り込みに違いがあるので、その差が分かると思う。
右側も磨いて紐を通して完成。
before after
トゥの傷跡はレノベイティングカラークリームでしっかりと
補色出来ているので、傷が目立たなくなっている。
指でしっかりめに擦っても色が落ちる様子は無い。
同じく別角度、傷跡の立体感までは消せていないが、まずまずの仕上がり。
近くでじっくりと見ると傷周りの部分もクリームの膜が
出来ているのが分かるが、ぱっと見では分からない。
左がbeforeで右がafter。
比べるとだいぶ目立たなくなっている。
もうちょっと上手く出来そうな気もするが、あまり欲張ってしまうと
やった感が強くなり過ぎて、逆に目立ってしまいそうなので
素人作業としては、これぐらいで充分かなと思っている。
メンテナンスに掛かった時間は全部で30分程度。
自宅で出来るお手軽な作業で納得の仕上がり。
履いている時とはまた違った満足感と楽しさがある。
外出自粛中は絶好のメンテナンス日和ってことで
他にも普段やらないようなメンテナンスが出来ればと考え中。