赤い羽BLOG

REDWINGとMr.Childrenを愛する男の趣味ブログ

REDWING COLUMN NO.11 レッドウィング メンテナンス 丸洗い総合版

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REDWING COLUMN NO.11 レッドウィング メンテナンス 丸洗い総合版

レッドウィングのブーツの丸洗いの仕方と

それぞれの工程で用意したいアイテム類の紹介など

今までに何足も丸洗いをして来た経験と感想をまとめてみた。

 

※丸洗いとは水や洗剤を使い、その物全体を洗うこと。

革製品の水洗いは永らくタブーとされていたが

近年は一般的なメンテナンス方法として確立されつつある。

それぞれの具体的な記録は各記事をご覧ください。

難易度は高い、丸洗い後の変化はそこそこあり。

オイルド感の強い赤茶や茶系は、染みが出来やすい素材なので

黒ずみを落とすのが難しく、オイル抜きのリフレッシュ要素強め。

 

難易度中、色が薄い革の場合は丸洗い後の変化がかなりある。

オイル染みやインディゴなどの頑固な汚れを落とすのは厳しいが

薄汚れは簡単に綺麗になるので、やりがいがある素材。

 

難易度は低い、丸洗い後の変化はあまりない。

オイル入れや水拭きだけで、汚れ落としが出来るので

見た目よりも内部や臭い落としが目的になるかもしれない。

 

REDWING メンテナンス 丸洗い総合版 目次

 

丸洗い時に用意したいアイテム

(画像の物が全て必要と言う訳ではありません)f:id:mr_redwing_children:20190514141433j:plain

・洗浄用アイテム

除菌シート、その革質に合ったレザークリーナー。

革用ブラシ、アウトソールとインソール用のナイロンブラシ。

(ブーツ内外をソフトに洗いたい場合は食器用スポンジなど)

 

・どぶ漬け用アイテム

洗濯バスケットやバケツなど深さのある容器。

浮き上がり防止のビンやペットボトル。

 

・乾燥用アイテム

大き目のタオル、新聞紙(インク移りが気になる場合はキッチンペーパーなど)

 

・乾燥時のブーツ内外のオイルアップ用アイテム

デリケートクリームなどの浸透性の高いオイル類(普段使いの物でもOK)

 

・仕上げ用アイテム

それぞれお好みのオイルやクリームなど。

仕上げ用ブラシ、スエードの場合はスエード用ブラシ。

 

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一回の為だけに色々と買い揃えるのは、それなりに費用が掛かるので

出来るだけ手持ちの物や、100均などで賄うのが良いと思う。

個人的にはレクソルクリーナー&コンディショナー

モゥブレイのデリケートクリーム、持ち手付きの豚毛ブラシはおススメ。

 

予洗

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予洗は文字の通り、予め洗っておくこと。

普段のメンテと一緒で、ひもを外し隅々までブラッシング。

ハトメに緑青がある場合は、事前に取り除いておいた方が良い。

 

除菌シートでブーツ内のインソールなどをしっかり除菌。

カビが生えていたりすると、単純に擦っただけでは

乾いた時にほぼ再生するので、これは忘れずに。

 

ブーツ表面は水で軽く洗い流しておき

内部に水を入れ、指先の奥の方に詰まったゴミを出しておく。

ウェルトの部分はナイロンブラシ(歯ブラシでも良い)を使い

ステッチや本体との間の埃などを掻き出す。

 

アウトソールは泥汚れなどをしっかりと落とす。

ナイロンブラシやタワシなど硬い素材を使う。

徹底的に綺麗にしたい場合は、クレンザー的な物を使うか

仕上げ工程で紙やすりで削るなどの方法もあり。

 

どぶ漬け(半日~一日)

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どぶ漬けは、汲み置いた水やお湯に漬けること。

水が浸透しにくい革の場合は、半日から一日ほど掛けて漬ける。

明確に何時間と言うのは難しいが、夜洗いたいなら朝に漬け

夜通し漬けて翌朝に洗うなど、大まかなスケジューリングをしておく。

 

温度は高過ぎると革にダメージがあるので、38~40℃ぐらいが良い。

このぐらいの温度だとオイルやクリームが溶け落ちるが

アウトソールの接着剤は溶けないので、剥がれのリスクが下がる。

 

臭い落としで重曹や洗剤類を使って漬ける場合は短時間のみで

長時間漬けこむ場合は水、もしくはお湯のみにする。

(どぶ漬けは人によって意見が分かれる所なので絶対ではない)

 

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浮き上がり防止に水を入れたペットボトルを使う。

ブーツに入れば入れて、入らなければ浮かべておく。

水分が完全に浸透した革はとても柔らかくなり

プニプニした質感になるが、乾けば硬化する。

 

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長時間漬けておくと、この様に結構色が出て来る。

これは染色した革の色やオイルなどの他に、内外の汚れや汗による物など。

インソールやその下のコルク層からも、かなり沁み出て来る。

余裕があれば新しい水、またはお湯に交換。

 

どぶ漬けのメリットは、汚れが落としやすくなる。

部分的な汚れを落とすには、全体を濡らした方が

乾いた時の水染みを防ぎ、そのムラを抑えることが出来る。

ブーツに限ったことではなく、バッグやジャケットなどの汚れ落としや

他の素材の物を洗濯する時にも共通していること。

 

デメリットは失敗する可能性もあると言うこと。

変色や色移りなど、革の表情が劇的に変わることや

インソールの変形などのリスクが考えられる。

単純に放置時間が必要なので、急な予定が入ると大変なことになってしまう。

↑はどぶ漬けをしない丸洗いの簡易版。

 

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画像の物は、おそらく水に中途半端に漬けた物。

水染みが残ってしまう典型的な失敗パターン。

汚れや溶け出たオイルなどが逃げ場を失い、染みとなって留まってしまう。

特に色が薄い革だと、洗う前よりひどくなる場合があるので

漬けないなら漬けずに、割り切って丸洗いを行う。

 

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こちらの画像は、酸素系漂白剤に漬けた方の物。

左から赤茶8166、薄茶875、ラフ&タフ9111。

本来はどれもオイルド感の強い、味わい深い色なのだが

汚れと共に革の色も落とし、油分が抜け過ぎてしまっている。

漂白剤が強烈過ぎるので、はっきり言って劣化した状態。

オイル入れや補色で取り戻せる部分もあるが

汚れを落とす目的以上に、良い部分を犠牲にし過ぎている気がする。

人それぞれだとは思うが、自分は愛着がある物でやろうとは思わない。

 

洗浄

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クリーナーを使い、豚毛ブラシや硬くないナイロンブラシなどで洗う。

毛穴から汚れをしっかりと掻き出すイメージ。

レクソルはシャンプータイプなので、一般的には水に溶いて使うが

歯磨きの様にブラシに直接掛けて、ガッツリと洗うのが良い。

これは革に優しい中性で出来ているので愛用している。

 

レザークリーナーは有名どころだと、他にサドルソープと言う

石鹸タイプもあるので、お好みの物を使うと良い。

もし代用品で済ませるなら、中性洗剤か最低でも弱酸性の物を使用する。

アルカリ性の物は汚れは落ちるが、革の色ごと落とし劣化するので注意。

 

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スエードは表面が起毛しているので

硬めのナイロンブラシでガシガシ洗うことも可能。

デリケートな革質もしくは、そう洗いたい場合は

食器用スポンジなどで優しく洗う。

 

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インソールは洗い過ぎると、縁が反って来たりと変形に繋がるので

あまりガッツリ洗わない方が良いとのことだが

カビが生えていたり、中古で購入した場合は

個人的には容赦なく洗った方が良いと思う。

本体との隙間に靴下の毛玉やら埃などが溜まっているので

持ち手の長いブラシで掻き出して取り除く。

 

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どぶ漬けすると革の色がアウトソールに多少移るので

側面のミッドソールの繋ぎ目もしっかりと洗っておく。

ついでにひもも一緒に洗い、革製の場合は乾く前のオイルアップを忘れずに。

 

濯ぎ、タオルドライ

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ブーツ内外をしっかり濯ぎ、泡を落とす。

革専用のクリーナーは革に優しいので、多少濯ぎ残しがあっても問題ない。

代用品を使用した場合は、徹底的に濯ぐ必要がある。

 

タオルドライは大き目の物で、表面をしっかりと拭く。

脱水機を使うと、内部の色が表に移ってしまう可能性がある。

変形にも繋がるので避けた方が良い。

 

乾燥工程①(数日)

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タオルや新聞紙を入れて数日陰干し。

丸洗い直後はブーツ内から色が出るので、お古のタオルが良い。

半日ほどで別のタオルに交換。

 

水気が落ち着いた翌日からは、替えタオルか新聞紙に変更。

新聞のインク移りが多少あるので、気になる場合は

キッチンペーパーか替えのタオルにする。

乾燥時に温風や直射日光を当てると劣化に繋がるので

風通しの良い室内や日陰のベランダなどが良い。

 

乾燥工程②(一週間~)

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表面が半渇きの状態で一度目のオイルアップ。

水分が抜けて乾燥する時がダメージになると言われ

表面が収縮してしまい、劣化の原因になってしまう。

潤いの無い革はパリッとしてると思うが、その状態は極端に強度が低い。

それを防ぐ為、このタイミングでオイル入れが推奨とされている。

 

画像はレクソルコンディショナーを塗っているが

普段使いのオイルやデリケートクリームなどでも良い。

スエードのオイル入れは、一般的には推奨されていないが

レクソルコンディショナーであれば、変色などの悪いは影響はほぼない。

 

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ブーツ内に詰めている物を取り除き

インソールもひび割れ防止の為、デリケートクリームなど

浸透性が高く、さらっとした物を塗るのがおススメ。

ミンクオイルなど普段使っている物でもOK。

 

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ブーツを傾け通気を良くし、完全に乾くまで放置。

どぶ漬けした場合は、インソール下のコルク層まで沁み込んでいるので

乾燥期間は季節にもよるが、中の詰め物を取り除いてから

最低でも一週間、全部で10日ぐらいは設けた方が良い。

 

仕上げ

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ここまでの行程が終わるのに約二週間、やっと終わると安心する。

それぞれのレザーに合った方法で仕上げる。

スエードは毛が寝てしまうので、スエード用ブラシでしっかりと起こす。

防水スプレーを掛けるなら、正にこのタイミングがベスト。

栄養を補えるスプレーで仕上げるのも良い。

 

注意事項

丸洗いは一度始めると、やり直しが出来ないことが多い。

自分は何度も実践して、思ったほど綺麗にならなかったり

達成感が感じられない時も、正直に言えばある。

ただ、古いオイルを抜いて革のリフレッシュ、カビや臭いの除去など

見た目以外の部分での成果もあるので

やって損したとか、失敗したと思ったことは一度もない。

 

基本的に、毎シーズン行う作業ではないので

革に優しいアイテムを使い、全ての作業に時間を掛けたい。

レッドウィングのブーツは大切に扱えば

何十年と履ける物なので、じっくりと丁寧に仕上げたい。

 

もし丸洗いをする場合は、良く調べた上で行い

そして、くれぐれも自己責任でお願いします。

今は修理専門店やクリーニング店などで、依頼出来るところも多いので

ソール交換と一緒に丸洗いをしてもらうのも良いと思う。

 

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